May 27, 2008

名古屋定例オフ中間報告

▼5月27日昼の時点までの参加申し込み者は、太田忠司、くろけん、1941、rosio190、ぽかぽか、ゆーたん、ぴょん先輩、こいん、びりい・0、大矢ひろこ、いつみねこ、かおかお、おさる、かっぴー、未読王(敬称略、参加申込順)の15名となりました。引き続き6月7日(日)まで参加申し込みを受け付けますので、あくまでもご両親の承諾を得た上でどんどん参加して下さいね>女子高生の皆様

本のプレゼント交換会は、民主主義の原則に則って参加者の皆様のご意向を確認したところ、1対ゼロの圧倒的多数をもって今回も実施することに決まりました。オフ当日にはお手持ちの不要本蔵書の中で他の人にぜひ差し上げたい読ませたいという本を最低一冊、ご持参下さい。考えてみれば今回のオフは一次会だけでほぼ3時間という長丁場の予定なので、こいん参加のモンゴル相撲観戦だけではちょっと間が保たないかもしれないからなぁ。

▼それと、多忙を極める国際派ビジネスマンの俺としては、やはり6時の待ち合わせ時間に間に合うのはほぼ無理のようだ。店への連絡は国際電話とインターネットで確実に執り行っておくので、スタート段階の幹事代理をよろしく頼む>rosio190(俺の携帯の番号は知ってたよね?)。幹事代理として特に考慮して欲しいのは、くろけんと1941の座席。この二人はVIPからはできるだけ離れた席(できれば壁を隔てた隣の店あたり)にしておくのが吉なり。

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May 07, 2008

名古屋定例オフ詳細

 名古屋定例オフの詳細が決定したいました。
 今回の一次会は、五月場所での朝青龍の健闘を祈るとともに高木彬光の「成吉思汗の秘密」の刊行五十周年を記念致しましてモンゴル料理と致しました。

★☆★☆★☆★名古屋定例オフ詳細☆★☆★☆★☆
日時:6月14日(土)
集合時間:18時
集合場所:栄地下街クリスタル広場鎌倉文庫前あたり
一次会場所:モンゴルレストラン シンキロー
        名古屋市中区栄4-6-40 岡崎ビル2F
        052-263-7731(HPは下記に)        
一次会費用:食べ放題飲み放題で4300円(3時間の予定)
二次会:たぶんあり
三次会:ま、ちょっと覚悟はしておけ
本のプレゼント交換会:正直、実施するかどうか悩んでます。過去にずっと実施してきたこの行事ですが、振り返ってみれば俺は一度たりとも得をしたことがない。ずっと持ち出しだ。年末の忘年オフくらいは、誰からもクリスマスプレゼントを貰えないという可哀想なくろけんのためにやってもいいのだが、6月オフは特に名目もないもんな。皆さんのご意見をお待ち致します。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆

 店の様子は下記写真を参考のこと。店内ではモンゴル衣装も無料で貸し出してくれるそうですので、気分はすっかりキラー・カン。もしも店の名前が覚えにくいという方は「金嬉老」でも「金語楼」でも「キダタロー」でも好きに憶えて戴いて結構です。シンキローのHPはhttp://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000662456.htmlP_top_l
 ご覧の通りの広い店内では、モンゴル楽器の演奏等もあるそうですので、オフ参加者は全員、当日までにホーミーの一つも歌えるようにしておくこと。また、モンゴル相撲の飛び入り参加も受付中です。

 なお、現在までの参加予定者は、太田忠司、くろけん、1941、rosio190、ぽかぽか、ゆーたん、ぴょん先輩、こいん、びりい・0、大矢ひろこ、いつみねこ、かおかお、未読王(参加申込順)。モンゴル相撲へのエントリーは今のところこいん一人だけですので、まだ間に合います。参加希望者は本欄へのコメントにて参加表明をお願い致します。申し込みの締切は6月7日(土)と致します。

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April 30, 2008

名古屋定例オフ告知(承前)

やぁ、僕です。未読王です。みんなは元気かな? 僕は毎日、犬の散歩のお供をしているおかげですっごい元気です。つーことでオフ告知です。

◎名古屋定例オフ◎

実施日:6月14日(土) 集合時間18時(予定)
場所:栄町近辺のどこか

 これから店の予約に移りますので、皆様も早めの参加表明をお願いします。以降の詳細はまた後日。

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November 06, 2007

名古屋忘年オフ始動!

 光陰矢の如し、日本の歳末を彩る恒例行事「名古屋忘年オフ」の季節がまた今年も巡って参りました。ということで、幹事を仰せつかったみわっちさんがオフ会場となる店を既に仮予約しておりますので、本日より参加を受付致します。皆様、ご近所の女子大生女子高生看護婦フライトアテンダントなどお誘いあわせの上、奮ってご参加願います。

開 催 日:12月1日(土)
集合時間:18時30分
集合場所:栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:「貴楽家 悠.」
     名古屋市中区栄3-12-6 インペリアルプラザ1F Tel.052-249-8752
(http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000015735.html)←地図確認のこと
参 加 費:約4千円(一次会のみ)
二 次 会:あり。場所、費用は当日の気分でテキトーに決定
三 次 会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
そ の 他:今回もまた愛の歳末助け合い運動に協賛する意味で恵まれぬ方へのクリスマスプレゼントとなるように「本の交換会」を実施いたしますので、誰かにあげてもいい本を最低一冊ご持参下さい。決して「不要本の捨て場」ではありません。結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ますので、参加される皆さんは慎重な上にも慎重にプレゼント本の選択をしてきてください。

参加者募集締切は11月28日(水)といたします。参加をご希望の方はこの記事のコメントの形で参加表明して下さい。いつもの通り、募集締切日を超えましても妙齢でスタイル抜群の美人の独身女性に限ってはたとえオフ当日であろうとも参加を受付いたしますので安心してご参加の程願いあげます。

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June 15, 2007

定例名古屋オフ最終告知

 幹事のくろけんの怠慢によりなかなか最終告知ができませんでしたが、ようやくまとまったようなので、--オフの前日ではありますが--くろけんの書いた案内文に対して誤字脱字の訂正、日本語として文法のおかしな言い回しの修正、文学的装飾や比喩等を加えて再掲させて戴きます。

日  時:6月16日(土)
集合時間:午後6時30分
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:イタリア料理 BORDER 2(名古屋市中区錦3-17-27 ソシアルビルM-1F、052-961-6733)
http://r.gnavi.co.jp/n017800/
参加費:4000円(飲み放題)
二次会:あり。場所、予算は当日の気分でテキトーに決定
三次会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
その他:今回も懲りずにプレゼント本の交換を実施いたします。参加の皆さんは限りある全知全能を振り絞ってプレゼント本の選択をしてきてください。その結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ます。
現在までの参加予定者:1941、rosio190、ゆーたん、太田忠司、 びりい・0 、こいん、いつみねこ、かおかお、さち、大矢、 edge、おさる、みわっち、いち、ぽかぽか、未読王、くろけん(幹事)

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May 31, 2007

定例名古屋オフ詳細発表

幹事のくろけんから次回オフの詳細がようやく発表されましたので、この私がくろけんの書いた告知文の誤字脱字や文法の誤りを訂正した上で再掲しておきます。

日  時:6月16日(土)
集合時間:午後6時30分
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:イタリア料理 BORDER 2(名古屋市中区錦3-17-27 ソシアルビルM-1F、052-961-6733)
http://r.gnavi.co.jp/n017800/
参加費:4000円~4500円の予定(飲み放題)
二次会:あり。場所、予算は当日の気分でテキトーに決定
三次会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
その他:今回も懲りずにプレゼント本の交換を実施いたします。参加の皆さんは限りある全知全能を振り絞ってプレゼント本の選択をしてきてください。その結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ます。
現在までの参加予定者:1941、rosio190、ゆーたん、太田忠司、 びりい・0 、こいん、いつみねこ、かおかお、さち、大矢、 edge、おさる、未読王、くろけん(幹事)

参加者募集締切は6月9日(土)を定しておりますので、皆様奮ってご参加ください。いつもの通り、募集締切日を超えましても妙齢でスタイル抜群の美人の女性に限ってはたとえオフ当日であろうとも参加を受付いたしますので安心してご参加願います。

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May 14, 2007

【定例名古屋オフ】告知第一弾!

 やぁやぁやぁ、僕です。未読王です。長い間この「未読王購書日記」をブログペットのきゅーび君に任せて海外に遊学していたためにすっかりご無沙汰しちゃったなぁ。とはいえ、定例の名古屋オフだけはきゅーび君に任せるわけにはいかないので、こうしてまかり出た次第です。
 ということで、定例名古屋オフの告知です。

 時:6月16日(土) 夕方~

 今のところ、決まっているのはこれだけ。

 他の詳細については、前回のオフで確信犯的にボケをかました罰として幹事を仰せつかることとなった黒田研二ことくろけんが--作家生命を賭けて--段取りすることと思います。とりあえず参加受付は本日からスタートしますので、ご近所お誘い合わせの上、ぜひ多数の皆様のご参加をお待ちしております。参加申し込みは本発言のコメントでお願いします。

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November 14, 2006

名古屋忘年オフ詳細案内

日   時:12月2日(土)
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
集合時間:18:00 集合時間を一分でも超えたらどんな事情があっても待ちません。えぇ、待ちませんとも。
オフ会場:茴香(ういきょう) http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000027097.html
Tel.052-219-7411  名古屋市中区錦2-5-28
一次会費用:4,500円で飲み放題(90分)
二 次 会:たぶんあり。場所・金額は未定。
イベント:例年通り、愛に恵まれない人のためにクリスマス古本交換会を実施致します。当日はオフ参加者の誰かにくれてやろう差し上げたいと思うご家庭でご不要になりました生ゴミ古本を各自、最低一冊ご持参ください。
現在までの参加予定者:みわっち(幹事)、太田忠司、大矢、くろけん、ゆーたん、1941、こいん+1(仮に明菜ちゃんと呼んでおこう)、かおかお、いつみねこ、rosio190、未読王(以上12名・敬称略)

 とりあえず500名までは参加を受け付けますので、名古屋忘年オフへの参加希望の方はこちらへのコメントという形で参加表明してください。参加表明の締め切りは11月29日(水)と致します。

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November 02, 2006

名古屋忘年オフ告知第一弾

 さて、年末恒例の名古屋忘年オフの季節が今年も巡って参りました。今のところ決まっている事は、実施日が12月2日(土)ということと今回の幹事はみわっちさんという二点だけです。それでも参加したいと言われる御方はコメント欄にて参加者登録してください。ちなみにその日の俺は日中ゴルフだぁ。どうなる俺? どうなる名古屋忘年オフ?

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September 04, 2006

【過去記】サイン会に赴く

▼7月某日、日曜日。お誘いがあったので、某書店で開催されたサイン会に赴く。
 サイン会の主は芥川賞作家の金原ひとみ。そう、「蛇にピアス」の人だ。はっきり言って俺にはまるで興味のないジャンルの作家なのだが、23歳で美人・・・という点に関していえば若干の興味が無いこともない。
 間近で見ると、なるほど確かに美人である。身体もモデル並みに細いしねぇ。もしも日本の女流作家で美人コンテストを行えば、確実に上位三人のうちに選ばれるよなぁ。あとの二人は○辺聖子と林真○子あたりか(嘘)。こんな可愛い女の子が小説の中では「○○○○」だとか「△△△△」といった卑語を平然と書き連ねるのだから、やはり文学というものは怖ろしいものである。
 サイン会という場に駆けつけた経験はごく少ないが、日曜の午後に開かれているこのサイン会に来ているのは、「若い女の子たち」と「おじさん」という二つの派閥に二極化されている。強引に分けるとすれば幸いにも俺は若い女の子組ということになるのだが。
 順番が巡りいよいよ俺の番となる。頭を垂れ貢ぎ物を頭上に掲げて若き女帝に傅く家来のようにしずしずと金原ひとみ嬢の前に進み出る俺。貢ぎ物として捧げ持つのは事前に購入しておいた「名古屋名物 一口ウイロ」である。
 サインに名入れを希望する人用に事前に用紙が配布されているので、ウイロと一緒にその紙を差し出す。そこに書かれた名前を一目見て、クスリと吹き出す金原ひとみ嬢。いいよなぁ俺は、名前だけでウケが取れて。
「あのぉ・・・、名前には『様』も付けますか? それとも『未読王』だけで?」と可愛い顔で問う金原嬢。
「是非ともお願いします。『未読王様』で」と俺。それを聞いてもう一度、クスリと笑われた金原ひとみ嬢なのであった。
 図に乗った俺は更にお願いをすることにした。
「あのぉ・・・、名前の横に『愛を込めて』と書いて戴くわけには参りませんでしょうか?」
 俺の前にいたおっさんが本にサインを受ける際に図々しくそうねだっていたのを聞き逃すような俺ではない。困ったような顔をしながら、ひとみちゃん(←おおっ、芥川賞受賞作家をついに「ひとみちゃん」呼ばわりだぁ!)はそのおっさんの頼みを快く聞き入れたこともこの俺は知っている。ましてや、プレゼントとして「名古屋名物 一口ウイロ」をわざわざ持参してきたこの俺である。これで断られるはずがないではないか。
「ええ、喜んで」とひとみちゃん。
 もののついでに、もう一つだけお願いしてみることにした。
「おのぉ・・・、もしもお手数でなければ、『愛を込めて』の横に『二人きりで過ごしたあの夜の甘い思い出とともに』と書いては戴けないでしょうか?」と俺。

それは出来ません」と、きっぱり拒否するひとみちゃんなのであった。やっぱりな。俺もこれはちょっと無理っぽいかもな・・・と思ってはいたんだけど。
 サインを終えて握手もしてもらう。何とも細い指だぁ。この指であんな卑猥な言葉を。そのままサイン会が終わるまで握っておいてやろうかと思ったが、俺の後ろでまだ順番待ちの客もいるので、渋々手を離す。

 無事にサインを貰って、旧知の女性編集者と立ち話で雑談する。実はこのサイン会、俺はこの御方に呼ばれたのであった。日本の文芸界を陰で牛耳っていると囁かれているこの御方の依頼を断ることが出来るほど、俺は豪放でも磊落でもないのである。ここだけの話だが名古屋名物 一口ウイロだって、ひとみちゃんに差し上げたものの倍の値段を奮発してこの女性編集者にお土産として手渡しているのである。
 折しも今は、芥川賞直木賞の選考段階。今度の受賞の行方は如何なものかと尋ねてみると明快に即答が返ってきた。受賞の理由を訊くと「私が気に入ったから」。そうでしょうとも。両賞の発表はもうじきだが、おそらくそうなるであろうと俺はその場で確信した。
 ひとみちゃんとともにそのまま新幹線で帰京するという女性編集者からは別れ際に握手を求められたが、気づかないフリをしてそのまま立ち去る。だってぇ、せっかくのひとみちゃんの手の匂いが、そんなことで消えると困っちゃうしぃ・・・。(注1)

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July 16, 2006

病院の怪談(後編)(「黒呆け蜘蛛の会」より)

▼「病院の怪談」前編を書き上げてアップした段階ではすぐに後編に移るつもりだったのだが、書いている間にどんどんと構想が膨らみこのままでは原稿用紙にして軽く3千枚を超えてしまい未曾有の大長編となりかねないことが判明した。そのままではブログに載せるわけにもいかず、文量を大幅に刈り込むのに時間を要してしまったことを関係各位に深く陳謝します。ということで、お待たせしました、「後編」です。

病院の怪談(後編)【前編より続く】
 「それは病院で起こる典型的な心霊現象の一つね。古い病院には浮遊霊も多いことだし」と、黒呆け蜘蛛の会のメンバーで最初に口を開いたのは女流ホラー作家の鮨慧子だ。「たぶん、その霊はかなりの恨みを抱いて死んでいったに違いないわ。ベッド脇に立たれたというその患者さんの「その後」には充分注意しといた方がいいわよ」
「たぶん、そうだろうな」とホラー作家の意見に同調したのは三冊200円オヤジの異名を持つ古本評論家のよしだ むさしである。この男は最近、本の雑言社という出版社から「常田富士男と浦島太郎」という本を上梓したばかりで実に意気軒昂である。「この私も年甲斐もないテニスで腰を痛めたり、古本に付いていた病原菌が元で睾丸がバレーボール大に膨れあがったりと、病院との縁はなかなか切れないんだが、病院では何度も怖い目に遭ってるよ。看護婦さんにさりげなく『夜中に痩せた男の人がベッドの脇に立ってたんだけど』って聞いてみれば、いやあな顔をして『また出たんですかあ』っていう表情をすると思う。もっとも私が入院中に一番怖い目に遭ったのは、持参した本を全て読み終えてしまって手元に読む本が無くなってしまったと気づいた時なんだけどね」と言ってニヤリと笑った。
「私は怖い話は苦手だから・・・」と言ったのは、漫画家の野薔薇美由紀である。「現実的すぎるかもしれないけど、それは単なる物盗りなんじゃないの? ほら、病人って結構手近に小銭を置いているものだし。きっと不慣れな泥棒で枕元に置いてある財布に手を伸ばすのを逡巡してたんだと思うわぁ」
「うう~ん、怪奇現象派が二人に物盗り説が一人ですか」と相談者の私は言った。「これだけの話では、決め手に欠けてますもんねぇ」
 その時、「なるほど、それは恐ろしい話ですね」との声がしたのは、みんながテーブルを囲んで円座に座っている後方からである。
「おぉ、そうだ。ここは辺里の意見も聴いてみないとな」とよしだ むさしが言った。
「辺里さんとは……?」と私が振り返ると、そこに立っていたのは給仕然とした一人の男である。
「辺里はね、この店の給仕なんだが、ものすごく推理力があるんだ。過去にもこの会に持ち込まれた謎を何度か解いているんだよ、私の次くらいにはね」と言うのはよしだ むさしである。
「皆様のお話の途中で思わず口を挟んでしまい、大変失礼をいたしました」と給仕の辺里は申し訳なさそうに言った。
「いやいや、ここはぜひ辺里の意見も聴いてみたいもんだな」とよしだ むさしが言うと、鮨慧子と野薔薇美由紀の二人も「そうよそうよ、きっと何か気が付いたんでしょ?」と辺里の意見を促した。「少なくとも、辺里さんの方がよしださんよりはよっぽど頼りになるんだし」
「皆様がそこまで仰るのならば・・・。それでは私の考えを言う前にちょっと質問させて戴いても構わないでしょうか?」
「どうぞ、なんなりと」と応じてはみたものの、何故、私が給仕の質問に答えなければならないのか、さっぱり合点がいかない。
「お父様はもうそろそろ退院されるご予定なんですね?」と給仕の辺里が尋ねた。
「そうです。今度の土曜には退院の予定です」と私。「ヨチヨチ歩きですが、最近になってようやく少しは歩けるようになりましてね」
「お父様は相当なご高齢になりますよね?」
「そうですね。八十歳にもうすぐ手が届くというところです。半年も入院していると、さすがに身体も弱りましたが」
「誠に失礼なことをお尋ねしますが」と辺里。「身体はともかくとして、お父様の頭の方は如何なんですか? いわゆる『老人特有の症状』というものは?」
「ははぁ、もしかして『呆け』のことですか? そりゃまぁ歳も歳ですし、このところ単調な入院生活が続きましたから、今日が何曜日なのかはちょっと分からなくなっているようですが・・・。そういえば先日、お医者さんから『今、何歳になりました?』と訊かれて答えられなかったこともありましたが、総じてその程度のことですかね」
「なるほど・・・」と辺里は答えて、一瞬考えにふけった。「分かりました。毎晩、ベッドの脇に立つ痩せた男とは、おそらく・・・」
「おそらく?」
「おそらく、それはあなたのお父様ですね」
「な、な、な、なんてことを言うの!」と思わず声を大きくしたのは、漫画家の野薔薇美由紀である。「あなたはこの方のお父様が泥棒だって言うの?」
「違うわよね、辺里さん」と落ち着いた口調で口を挟んだのは女流ホラー作家である。「きっと、お父様が幽体離脱して生き霊になった姿をみんなに見られたと言いたいんでしょ?」
 申し訳なさそうに辺里は言った。「いえ、申し訳ありませんが、私の考えはお二人のご意見とはちょっと異なります。この方のお父様は、ただその場に立っていただけです」
「でも、なんで夜中に他人のベッドの脇にただ立っていなければならないんだ、何の目的もなく?」と訊くのはよしだ むさしだ。
「何かの目的があってかどうかは、私にも分かりかねます。その答はおそらく、お父様ご本人ににお尋ねしても分からないことだと思います」
「それは、いったいどういう意味・・・?」
「失礼ながら、お父様ご本人にその意味をお尋ねしても、ちゃんとした答は戻ってこないことだと思いますね」
「しかしねぇ、辺里」とよしだ むさしが言う。「もしもその痩せた男がこの人の親父さんだと言うんなら、同室の患者たちはみんな、顔見知りのはずじゃないか。なんでそのことをはっきりと本人や家族に言わないんだ?」
 辺里は困ったような顔をした。「それは・・・。皆さん、お優しいからだと思いますよ。確か、お話の途中でもそうようなことを仰っておられたはずですが」
「優しい・・・?」と、私は怪訝な顔で聞き返した。
「ご家族に事実をそのままお伝えするには耐えられないほど、皆さん、お優しいんだと思います」
「で、その『事実』とは・・・?」と、私は辺里に思わず尋ねた。
 辺里は一瞬躊躇った上で、私をじっと正面から見据えたまま静かな声で答えた。「それは・・・、あなたのお父様が呆けてしまわれたという事実です」
 みんなは一瞬押し黙ったが、辺里はかまわずに言葉を続けた。「たぶんお父様は夜中に何度も徘徊行動を取られているんだと思います。もっともまだそんなには動き回れないはずですので、あくまでも病室の中だけでしょうけど。それでも当然、相部屋の皆さんはその行動を常にご覧になっているはずです。同室の皆さんはおそらく、あなた様が痴呆となられたお父様の世話をこれからずっと夜も昼もしていかなければならないという過酷な現実を遠回しな表現であなたに告げたんだと思いますよ。一度、病院の先生にそのことをご確認された方がいいと思いますよ」
「でも、それならなんでそうとはっきりと言わないんだ?」とよしだ むさし。「そんな遠回しな言い方ではなく」
「自宅で痴呆老人の介護をするということは家族にとっては実に大変なことです」と辺里は言った。「夜も昼もなく目が離せませんし、食事から風呂、あるいは下の世話まで24時間、誰かが付きっきりになる必要もあるでしょう。介護ヘルパーを頼むとしても、身内の方は相当な犠牲を払う覚悟がないと到底できることではありません」
 辺里はそう言うと、じっと私を見た。「あなたは独身なんじゃありませんか?」
「そうですが・・・」と私。「どうして分かりました?」
「病院での相部屋というものは退屈な分、他の見舞客の会話は嫌でも耳に入りますし、それで隣に寝ている病人の家庭環境まで嫌でも分かってしまうものです。同室の皆さんはおそらく、会話の中身からあなたがお父様と二人暮らしだと知って、退院後のあなたの苦労を察知したんだと思いますね」
 野薔薇美由紀が尋ねた。「つまりそれは、相部屋の患者さんたちが全員で示し合わせていたというわけ?」
 辺里は答えた。「おそらく、そうだと思いますよ」
 よしだ むさしが言った。「でも、それなら病院の医者や看護婦も同様に父上の呆けに気づいてたんじゃないのか? だったら、患者の家族にその旨を言うんじゃないのか?」
「病院というところは、こちらから尋ねない限り、そういうことは意外に言わないものですよ。特に骨折したお父様が入院していたのは外科病棟だと思います。外科では骨折が治りさえすれば完治したということですから、他の件をわざわざ家族に伝えることは少ないと思います」
 私はうつむいて辺里の言葉を聞いていたが、しばらく経って顔を上げた。「そう言われると、確かに私にも思い当たる節はいくつかあります。このところ父はほとんど喋らなくなりましたが、先に言った通り、元々人付き合いも良くない性格ですし寡黙な質でしたので特に不思議とも思わなかったんですが・・・。まぁ、身内としては自分の父親が呆けてしまったなどとはなかなか信じたくない話でもありますしね。明日にでも早速、お医者さんに状況を確認して参ります。どうも有り難うございました」
 古本評論家のよしだ むさしが言った。「辺里、どうして分かったんだ?」
 辺里は恥ずかしげに答えた。「いえ、実は私も身内に一人、痴呆老人を抱えておりましてね。今日も出がけに妻とその話をしてきたところですので、それが心に残っていたのかもしれません。ですからご聡明な皆様よりも気づくのがちょっと早かっただけのことですよ。・・・あっ、いけない!」
「どうした、辺里?」
「いえ、話についつい夢中になって、デザートにお出しする予定のマンゴ・シャーベットをキッチンに出しっばなしにしておりました。せっかくのデザートが少し溶けてしまったかもしれません。今すぐに持ってあがります」
 辺里はそう言うと深々と頭を下げて、静かにその場を立ち去った。

▼新刊。
 まず何と言っても嬉しいのはこの本。スティーヴン・キング「コロラド・キッド」(新潮文庫、非売品)。新潮文庫版「ダークタワー」シリーズの刊行記念イベントとして、新潮社が企画した一万人限定のプレミア・ブックという非売品である。キング自身が何故かこの本の日本での出版に制限を付けているために、現時点ではとりあえず抽選で当たるかヤフオクで馬鹿高い値段で入手する以外に、この「コロラド・キッド」を読む術がないのである。わはははは。あんまり嬉しいんでカバジャケ写真も載っけといてやろう。A0007287_2339644 うわはは、真っ黒だ(笑)。いや、実物はそんな真っ黒けってことはないんだけどね。内容はキングにしては珍しくホラー風味のほとんど無いミステリータッチ。言ってみれば「キング、松本清張に挑戦!」的なアリバイ崩しなんである。いやもう、相変わらずのキングの語り口だけでご飯三杯はいけますわ。

 この本以外にも色々と書きたいことは多けれど、残念ながら時間がない。買った新刊の書名だけ列記する。

 今村荘三「漫才通」(浪速社)
 と学会「と学会年鑑 GREEN」(楽工社)
 ほんの森編「恐怖ミステリーBEST15」(シーエイチシー)
 サミュエル・R.ディレイニー他 若島正編「ベータ2のバラッド」(国書刊行会)
 ウィル・セルフ「元気なぼくらの元気なおもちゃ」(河出書房新社)
 大崎梢「配達あかずきん」(東京創元社)
 小路幸也「東京バンドワゴン」(集英社)
 宝島編集部編「バウじゅうはち! VOW18」(宝島社)
 早坂隆「世界の日本人ジョーク集」(中公新書ラクレ)
 高田文夫「笑芸日記 一九九六-二〇〇五」(ちくま文庫)
 一ノ宮美成ほか「実録!平成日本タブー大全 1」(宝島社文庫)
 ジュリー・ケナー「ママは悪魔ハンター」(早川書房)
 喜国雅彦「日本一の男の魂 17」(小学館ヤングサンデーコミックス)
 いしいひさいち「ロスタイム17分」(双葉文庫)
 志賀浩二「古本屋残酷物語」(平安工房)
 キース・オートリー「ホームズ対フロイト」(光文社文庫)
 ジョン・ボーランド「紳士同盟」(早川ポケミス)
 安永一典「アガサ・クリスティのインテリアと鼠の齧ったT定規」(近代文芸社)
 カーステン・ストラウド「コブラヴィル (上・下)」(文春文庫)
 国立国会図書館編「人と蔵書と蔵書印」(雄松堂出版)
 ヘレン・マクロイ「死の舞踏」(論創海外ミステリ)
 ピーター・ディキンスン「封印の島」(論創海外ミステリ)
 ジョン・ソール「ブラックストーン・クロニクル (上・下)」(求竜堂)
 チャールズ・ストロス「シンギュラリティ・スカイ」(早川SF文庫)
 クリストファー・ファウラー「白昼の闇」(東京創元社)
 ダグラス・アダムス「さようなら、いままで魚をありがとう」(河出文庫)
 平井隆太郎「うつし世の乱歩」(河出書房新社)
 五條瑛「瓦礫の矜持」( 中央公論新社)
 ジェフ・ロヴィン「狼男の逆襲」(扶桑社文庫)
 鮎川哲也「山荘の死(『鮎川哲也コレクション<挑戦篇>I)」(出版芸術社)
 ジム・トンプスン「失われた男」(扶桑社文庫)
 ジョン・ランチェスター「最後の晩餐の作り方」(新潮文庫)
 クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス「オケアノスの野望を砕け (上・下)」(新潮文庫)
 戸梶圭太「もっとも虚しい仕事」(光文社カッパノベルス)
 大倉崇裕「福家警部補の挨拶」(創元クライム・クラブ)
 浅倉久志「ぼくがカンガルーに出会ったころ」(国書刊行会)
 山田風太郎「山田風太郎育児日記」(朝日新聞社)
 小松左京+谷甲州「日本沈没 第二部」(小学館)
 アレックス・バーザ「ウソの歴史博物館」(文春文庫)
 ロブ・ライアン「暁への疾走」(文春文庫)
 平岡正明「志ん生的、文楽的」(講談社)
 『このミステリーがすごい!』編集部編「この文庫がすごい! 2006年版」(宝島社)
 ジョージ・P.ペレケーノス「魂よ眠れ」(早川HM文庫)
 永江朗「ブックショップはワンダーランド」(六耀社)
 いしいひさいち「コミカル・ミステリー・ツアー 4 長~いお別れ」(創元推理文庫)
 
 この中でお奨めを四冊選ぶとすれば、今村荘三「漫才通」、鮎川哲也「山荘の死」、戸梶圭太「もっとも虚しい仕事」、浅倉久志「ぼくがカンガルーに出会ったころ」だな。五冊選ばない理由は、まだそんなには読んでいないからである。

▼この間、買った古本やDVD、観た映画(ビデオ、DVD含む)、聴いたCDも山ほどあるし、名古屋オフやら某作家のサイン会に行った話などもあるのだが、とても書いている時間がない。このあたりは次回に回す。

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June 16, 2006

名古屋定例オフ最終確認

 いよいよ明日に控えた名古屋定例オフですが、幹事の不手際により先に通知した集合場所が間違っておりましたので、ここに改めて最終告知を致します。

日時】6月17日(土)
【集合時間】午後6時
【集合場所】栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前付近
 (目印は太田忠司氏。オフ初参加の方はできるだけ事前に著書で顔写真をご確認下さい。最新刊の「レストア」(カッパノベルス)または「予告探偵 西郷家の謎」(C★NOVELS)の著者写真が比較的写真写りが良いと近所の奥様たちにも評判です。なお、1941氏のみ星野書店前に集合ということにいたします)
【一次会場所】愛されるために生まれた大事なあなたのダイニング
http://r.gnavi.co.jp/n145500/
http://www.anatanodining.tokai.walkerplus.com/index.html
【予算】一人4000円程度(チゲ鍋2980+飲み放題1500-運がよければクーポン割引500)
【二次会】成り行き
【参加予定者(表明順)】黒田研二、大矢ひろこ、太田忠司、ゆーたん、こいん、かおかお、edge、いつみ、みわっち、びりぃ・0、1941,かすり、大盛有閑、未読王、おさる
【重要!】誰かにプレゼントしたい本を1冊持ってくること(罰ゲームあり)。

 つーことで、明日だぜ>ALL

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June 04, 2006

病院の怪談(前編)(「黒呆け蜘蛛の会」より)

▼高齢の父親がベッドから落ちて腰椎を骨折してしまい、昨年の暮れ以来かれこれ半年の間、入院生活を続けている。入院当初は自分の身体を起こすことすらままならなかったのだが、療養の甲斐もありゆっくりであれば歩行も可能となってそろそろ退院も間近いということで病院に見舞いに行くと父が入院しているのは6人部屋。戦前に建てられたというその病院は、昔は結核専門のサナトリウムに近い病院だったとのことで、外観こそそれなりに新しくなってはいても、建家内に入るとどこか古めかしさが感じられ、消毒薬に混じってカビの臭いすら漂ってくるようだ。
 親父の寝ている6人部屋のうちの4つのベッドが入院患者で埋まっていて、残りの2つは空きベッドだ。父親は歳を重ねるごとに気難しさが増し寡黙になっていくが、他の患者たちは気が良さそうで話し好きのお年寄りばかり。父を除く三人の入院患者たちが自分のベッドで食事をしながら雑談しているのを端で聴くとも無しに聞いていると、それはこんな話だった。

「近頃、おかしなことがあるんだよなぁ」
「ふ~ん、何ですねそれは?」
「毎晩、夜中の2時頃--いわゆる丑三つ時ってやつだな--になると決まってフッと目が覚めるんだけど、気が付くとベッドの横に痩せた男が立っていて、ジッとこちらを見下ろしているんじゃよなぁ。特に何か話しかけてくるわけでもなし。あれはいったい何なんだろうなぁ」
「目的が分からないってのは何となく嫌だねぇ」
「へぇ・・・。それで?」
「こちらは眠いからそのままついウトウトしちゃって、気がつくと朝で、その男はもうそこにはいないんだけど」
「へぇ、何なんですかねぇ、そりゃあ。で、何かされるんですかね?」
「いや、黙ってこちらを見ているだけ。あれ、ホントに何なんだろうね?」
「う~ん、何なんでしょうねぇ。もしかして今夜もやって来るんでしょうかねぇ?」
「来るだろうね、おそらく。何せ毎晩、やって来るんだから」
「もしも今晩もその人が来たら、私に一声掛けて起こしてくださいよね。一度見てみたいから」
「そりゃあ、いいけど・・・。何なんだろうねぇ」
「何ですかねぇ」
「何だろうなぁ」

 ・・・そっ、そっ、それって……。

「というわけで・・・」と、ここまで一気に話してきた私はそこでひとまず話を区切って私を囲んで座っている黒呆け蜘蛛の会の面々を見回した。「黒呆け蜘蛛の会」とは、暇人たちが月に一度集まって食事を供にする会なのだが、その会に毎回ゲストを呼び、ゲストが今までの人生の中で出会った不思議な出来事の謎を解いてみようという、好事家たちの酔狂な会なのである。
「このままではどうも目覚めが悪いんです。そこで、物好きな・・・いえいえ、有名な皆さん方のお知恵を拝借して、 この謎をぜひ解いて戴きたいというわけで」
 私にそう言われて、テーブルを囲んで座っていた黒呆け蜘蛛の会の面々は互いに顔を見合わせた。
 
【後半(次回)へと続く】

▼後半へと続くまでのCMタイムを利用して、買った新刊の紹介。

ミステリー文学資料館 編「わが名はタフガイ (ハードボイルド傑作選)」(光文社文庫)
 選ばれた作品を見ると、日本のハードボイルド小説史を振り返るには最良の短編アンソロジーではなかろうか。樹も見ながら森も見たような池上冬樹氏の見事なあとがきに補完しなきゃならない作家や作品はちょっと思い浮かばないなぁ。
滝本誠「渋く、薄汚れ。 ノワール・ジャンルの快楽」(フィルムアート社)
 「ノワール」という単語は映画と小説の相互に行き来して使われることも多いが、この書は、そのどちらのジャンルにも興味のある人には必読本であるな。それにしてもこの俺は40~50年代に作られたノワール・フイルムをホント、観てないよなぁ。
伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」(祥伝社NON OVELS)
 相手が伊坂幸太郎だけに、「地球を回す」の映画化に便乗して出した続編とは言えないでしょう。このところミステリ離れをしていた伊坂幸太郎がこの小説では果たしてどう出るかが非常に興味深いところ。ちなみに「地球を回す」は伊坂作品の中では俺の評価は比較的低い部類なのだが。それとこの本、装丁が「地球を回す」とあまりにも似すぎているせいで、新刊が店頭に並んでいてもしばらく気が付かなかった。どうしてくれる?
スティーヴ・オルテン「邪神創世記 (上・下)」(文春文庫)
 スティーヴ・オルテンて、昔、別れたメグっていう女が太古の闇を裂いて海底深くから人類に襲いかかるっていう小説を書いた人だよな?(←全然違う) 前作の「蛇神降臨記」にせよ、本作にせよ、どちらにせよ変テコな小説を書く人のようなんだが。アメリカの半村良か?
ブリジット・オベール「神のはらわた」(早川HM文庫)
 「臓物小説」と聞けば、やっぱり買わずにはいられない。
エド・マクベイン「最後の旋律」(早川ポケミス)
 最後の87分署。「これでもうポケミスを買うことは二度とないな」と思っている87分署ファンも多いのではないか。何を隠そう、こう見えても俺も87分署のファンだった(←過去形で言わねばならぬ点が弱いけど)。確か「血の絆」あたりまでは読んでいるはずなんだがなぁ。
北島明弘「世界SF映画全史」(愛育社)
 税込み定価で9.030円もする本だが、これ一冊買っておけばこの先10年くらいはSF映画関連の本を買わなくても済むような気がするけどな。
唐沢俊一「猟奇の社怪史」(ミリオン出版)
 唐沢俊一にしては「クスリ通」「育毛通」に次ぐくらいつまらなそうな本なのではあるが・・・。
カール・ハイアセン「フラッシュ」()
 ジュヴナイルは原則として買わないことにしているのだが、作者がカール・ハイアセンともなれば話は別だ。
三遊亭金馬「金馬のいななき」(朝日新聞社)
 四代目三遊亭金馬、というよりは、やはり「お笑い三人組」の小金馬といった方が通りが良い・・・と言うような奴の歳はいったいナンボなんやねん? その金馬も早、現役最長高座歴の噺家になっていたとはね。
皆神龍太郎「ダ・ヴィンチ・コード最終解読」(文芸社)
 「ダ・ヴィンチ・コード」関連本も初期の頃に出た2~3冊を買ってはみたものの、さすがにこれだけ数が多くなってくると全て追っかけてはいられなくなる。でも、著者が皆神龍太郎ともなれば買っておいてもよいでしょう。
マイクル・Z.リューイン「カッティングルース (上・下)」(理論社)
 ジュヴナイルは原則として買わないことにしているのだが、作者がマイクル・Z.リューインともなれば話は別だ・・・って、なんだかつい最近同じような文章を書いた気がしなくもないが。
ジェフリー・A.ランディス「火星縦断」(早川SF文庫)
 この小説ってもしかして、21世紀版「火星の砂」といった雰囲気なのかなぁ? ちなみにクラークの「火星の砂」は600冊ほどあるマイ・フェイバリット・SFのうちの一冊である。
ラリイ・ニーヴン「リングワールドの子供たち」(早川書房)
 「リング・ワールド」のシリーズもこれで4作目だとか。何となくもっと沢山出ているのかと思ってたなぁ。1970年に第一作「リングワールド」が原著で出版されて34年を経て2004年に本書がようやく上梓された。実に息の長いシリーズであり、帯によればこの「子供たち」でついにリングワールドの謎が明かされるとのことなのだが、その謎がいったい何だったのかさえすでにすっかり忘れてしもうたわい。
ジョン・エヴァンズ「悪魔の栄光」(論想海外ミステリ)
 おおおっ、ポール・パインの「栄光シリーズ」だぁ! この本、今年の翻訳ハードボイルドベスト10にまず間違いなく入ると今から断言しておく。何故なら、たぶん年に10作もハードボイルドが訳されないような気がするからなのだが。
山田正紀「翼とざして アリスの国の不思議」(カッパノベルス)
 あくまでもファンの勝手な言いぐさだが、山田正紀もそろそろ本格推理を書くのに飽きて、出来るだけ早く冒険小説の世界に戻ってきて欲しいものなのだ。
東山彰良「愛が噛みつく悪い星」(カッパノベルス)
 何はともあれ、「オフ・ビート」という単語にめちゃめちゃ弱い俺なのだった。
エリック・マコーマック「隠し部屋を査察して」(創元文庫)
 奇妙な味の短編集。何が奇妙だといって、この本を俺が単行本の段階で買っていなかったのが実に奇妙だ。
山本禾太郎「山本禾太郎探偵小説選 2」(論創ミステリ叢書)
 そもそも山本禾太郎の選集を一冊出そうというだけでもある種の蛮勇と思えるのに、図に乗って第二集まで出すとは何事ぞ! 山本禾太郎を二冊も読みたいなんて酔狂な奴が一人でもいるんなら、ここに連れて来いってんだ。こりゃ俺みたいな「ただひたすら所有しておきたい」という莫迦を対象にした商売に他ならないもん。そもそも「禾太郎」という名前自体、正しく読める奴なんて日本に30人くらいしかいないだろうが!(ここまで文句付けるんなら買うなよ>俺)
いしい ひさいち「大問題 ’06」(創元文庫)
 現在の漫画家で「天才」と呼べるのは、このいしいひさいちただ一人ではなかろうか。天才は常にジャンルを創設し革新し続けるのである
J.J.コノリー「レイヤー・ケーキ」(角川文庫)
 英国発クライム・ノベルで近々日本で公開される映画の原作小説だそうである。で、その映画は「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」のプロデューサーが監督に初挑戦した作品らしい。予告編を観るとかなりカッコイイ。
爆笑問題「偽装狂時代 爆笑問題の日本原論5」(幻冬舎)
 時事ネタを扱ったもので言えば、いしいひさいちの「大問題」とこの「日本原論」さえ読んでおけば、世相の動きはほぼ把握できるな。「釈尊ファイブ」というギャグはなかなかに秀逸。 

▼このところ本はたいして買ってはいないが、DVDはよく買っている。
書店で売っている500円DVDでチャップリンの「ライムライト」「殺人狂時代」、S・キングのオリジナル脚本のTVM「ストーム・オブ・ザ・センチュリー」と同じくキング原作の「ライディング・ザ・ブレット」、ブレイク・エドワーズとピーター・セラーズの「ピンク・パンサー」コンビの「パーティ」、それに、やったね! ピーター・ジャクソン版「キング・コング」といったところ。「キング・コング」は当然、2枚組のプレミアム・エディションだいっ!
 それにしてもまさか500円玉一個でチャップリンの名作を自分の物に出来る日が来るとはね。実際に見かけたことはまだ無いが、チャップリンでは「街の灯」以外の長編は全て500円で買えるようになっていたんだ(ここ参照)。一度観て以来、ずっと手元に置いておきたかった「ストーム・オブ・ザ・センチュリー」のみがDVD未発売のために中古ビデオだが、上下巻合わせて4千円。映画館で見逃した「ライディング・ザ・ブレット」は近所のレンタルビデオ屋を数軒廻ってみても何処にも置いてなかったので業を煮やして購入してしまう。「パーティ」は前々から観たかった一本でもあるし、スティーブ・マーチンの「ピンク・パンサー」リメイク記念に買うことにした。でも、スティーブ・マーチン版「ピンク・パンサー」はたぶんロードショーでは観ないだろうけどね。「キング・コング」はもったいなさ過ぎて特典ビデオが観られねぇ!

 で、レンタルビデオで借りてきて観たのは「エレクトラ」と「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」「蝋人形の館」の三本。「キャットウーマン」「イーオン・フレックス」に次ぐ女闘美映画の「エレクトラ」は、何故だか日本人が敵役。主役の女刺客人エレクトラも「キル・ビルvol.1」に於けるルーシー・リューの「ヤッチメェナ!」と同じくらい非道い日本語を話します(笑)。 ロバート・ デ・ニーロ&ダコタ・ファニングの「ハイド・アンド・シーク」は、見終えて「こりゃまた見え透いた結末だなぁ。このラストが読めなかった奴なんているもんだろうか?」と思ったのだが、意外に近いところに先の読めなかった者がいることが分かった(この人)。なるほど、世の中には色んな奴がいるもんだ。ダーク・キャッスル製作の「蝋人形の館」はホラー映画としてもさすがにストーリーは古めかしいが、ラスト近くの崩壊し焼け落ちていく蝋人形館のシーンはなかなかに迫力がある。

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▼ポール・サイモンのニュー・アルバム「Surprise」を購入。今回はブライアン・イーノが共同プロデュースということで、果たしてどんな音になるものかと聴くまで期待と不安が入り交じっていたのだが、結論を言えばやはりポール・サイモンの音にはそぐわなかったんではなかろうか。ブライアン・イーノってグラム・ロック(←古い?)の人でしょ? 聴く前から何となくポール・サイモンとは水と油のような気がしてたもんなぁ。今回のサウンドは、アルバムで言えば「ハーツ・アンド・ボーンズ」あたりまで遡った感じなのかな。どうせ遡るんならばソロアルバム初期三作あたりまで戻ってもらえれば個人的にはすっごく嬉しかったのだが、たぶんそれは無理な注文。それにしてもこのアルバムでブライアン・イーノに付けられた肩書きの「SONIC LANDSCAPE」ってのは、いったいどういう意味なんよ?

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May 29, 2006

6/17名古屋オフ最終通告

 私宛のメールを打ったことで安心してしまったのか、集合場所も集合時間も決めぬままにトンズラこいてしまった幹事のくろけんに成り代わり、更に詳細かつ最終的なオフ案内をアップ致します。

【日時】6月17日(土)
【集合時間】午後6時
【集合場所】栄地下街クリスタル広場星野書店前付近(にたむろしている怪しげな集団+青年実業家1名)
【一次会場所】愛されるために生まれた大事なあなたのダイニング
http://r.gnavi.co.jp/n145500/
http://www.anatanodining.tokai.walkerplus.com/index.html
【予算】一人4000~5000円程度
【二次会】成り行き
【参加予定者(表明順)】黒田研二、大矢ひろこ、太田忠司、ゆーたん、こいん、かおかお、edge、いつみ、みわっち、びりぃ・0、1941,かすり、大盛有閑、未読王(以上14名+参加予定として聖子ちゃん♡@こいんの同僚

 こんなもんではないだろか? くろけんが店への予約を果たして何時に入れているかが不明なので、集合時間はあくまでも適当だ。つーか、そもそも店への予約自体が本当に為されているのかどうかもとっても不安なのだが。
 それと今回は名古屋オフ恒例の本の交換会は無いのか?
 ゆーたんvs1941の両巨頭が繰り広げる地獄のチャンピオン対決を観たい方も多いことと思いますので、私の独断で本の交換会を実施することと致します。当日は必ず、誰かにプレゼントしたい本を一冊ご持参下さい。もしもあなたの持ってきた本が誰にも選ばれないで最後まで残ることになると世にも恐ろしい罰ゲームが待っていますので、そこんところはぜひ気をつけるように>ゆーたん&1941(←名指しかぁい!)。

 参加募集は引き続き受け付けます。とりあえず一般参加の方についてはオフ開催日の一週間前の6月10日(土)を最終締め切りと致します。この書き込みへのコメントの形で参加表明をして下さい。なお、特別参加の女子大生、女子高生、スチュワーデス等の皆様もできればその日までに申し込みをして戴ければ有り難き幸せなのですが、よんどころない事情で事前に申し込みができない場合には当日飛び入り参加をして戴いても一向にかまいません。その場合要員調整のために、飛び入り参加者がもしも一人の時には1941が、二人の場合は黒田研二も急遽オフへの参加を取りやめることとなりますが、みんなもそれで異論はないよね?
 
 
 
 それと、聖子ちゃん♡はどないなってんのやぁ(゚o゚)b?>こいん

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May 18, 2006

6/17名古屋オフ開催告知

 黒田研二から「そろそろ次回の名古屋オフの告知をしないとみんなに虐められるんですぅ~」という泣きのメールが入ったのでそのまま転載することと致しします。文責は全てくろけんにあります。
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「くろけんさん、好き好き(ハート)。あなたのためならあたし、裸になるのも怖くないわ♪ 名古屋オフ2006夏」の参加者を募集します。来週いっぱいくらいまでに返事をいただけると嬉しいです。

【日時】6月17日(土) 午後6~7時頃からを予定
【場所】愛されるために生まれた大事なあなたのダイニング
http://r.gnavi.co.jp/n145500/
http://www.anatanodining.tokai.walkerplus.com/index.html
【予算】一人4000~5000円程度

今のところ、キムチチゲコース(2980円)+飲み放題(1500円)がリーズナブルでいいかなあと思ったりしてるんですが、たしか昨年末もチゲ鍋だったんですよね? また、チゲはイヤ? チゲの代わりに乳毛を混ぜてみるってのはどう?
そのあたりのご希望も遠慮なくどうぞ。

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 ……これで次回のオフにも女子大生並びに女子高生の参加は無いってことで、まず確定だな(-_-;)。

 集合場所も集合時間も何一つ分からない舌足らずなオフ告知ではありますが、とりあえず今から参加受付を開始することと致します。名古屋オフへの参加を希望される方は当コメント欄で参加表明願います。参加募集にあたってとりあえずこれだけは言っとくことにするが、こいんの同僚の聖子ちゃんは必ず参加するように。何があろうが忘れてへんで(゚o゚)b。

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April 28, 2006

【アンケート】名古屋オフ開催希望日

 昨年暮れの名古屋忘年オフを欠席した見せしめに次回の名古屋オフ幹事を命じられた黒田研二ことくろけんより泣きが入りました。

次回名古屋オフ幹事のくろけんです。 あの……例年だと6月第1週の開催なんですが、その日はちょっと都合が悪くて……。 さらに、6月第2週だと本格ミステリ大賞の受賞式と重なっちゃうんで、できることなら5月第4週か、あるいは6月第3週にしてほしいんですけど、ダメ? 皆さんの意見を訊きたいので、場を設けていただけるとありがたいっす。

 名古屋オフといえば安土桃山時代、一夜で城を築いたと言われる秀吉の故事にちなんで始められた歴史的行事であり、古くから6月第一週の土曜日に厳粛に執り行われることは名古屋市民ならば周知の事実ですので、通常であれば日程変更などあり得ないことはくろけんも重々承知のことと思いますが、よほど特別なくだらない事情--たとえばモー娘。のコンサートと重なっちゃったからだとか--があることと思います。くろけんも歴史ある伝統行事の日程を自分勝手な都合で変えたいと頼むからには相当な覚悟の上の発言だと思います。おそらくは今年の暮れの名古屋忘年オフの幹事を続けて引き受けるくらいの覚悟はしていることと思いますので、誠に異例ではありますがここはくろけんに免じてアンケートを採りたいと思います。以下の日程案の中からお好きなものを選んでコメントという形でご回答下さい。アンケート回答締め切りは5月7日(日)までとしますので、とり急ぎご回答願います。

【次回名古屋オフ開催希望日アンケート】

1)昔から町一番の頑固者として知られている俺だ。ここは当初予定の通り、是が非でも6月3日(土)で実施すべきであ~る。
2)女子大生でモデルのバイトもしている由紀絵と申します。出来ればくろけんさんの顔を見たくないので6月3日(土)か6月10日(土)でお願いします。
3)しょうがねぇなぁ。5月27日(土)でもいいや。
4)ちっ、6月17日(土)で許してやらぁ。
5)私のスケジュール表は真っ白よ。だからいつでもいいわよ。うっふん。
6)ほんとは4月22日(土)がよかったんだけど、もう過ぎちゃったからなぁ。
7)もともと名古屋オフなんかに行くつもりは毛頭ありません。
8)名古屋が何処にあるのかも分かりません。
9)いっそのこと、やめたら?
10)このたび脱サラしたぽかぽかの古本屋新規オープンの日に開催希望。たぶんお友達限定持ってけ泥棒古本つかみ取りセールをやってくれるはずだから。
11)6月20日(火)に私の自宅で「一人だけの名古屋オフ」をやります。今のところ参加者は募集していません。
12)その他、希望日のある方はご返答下さい。

 以上、ご協力のほどをお願い致します。かしこ。

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February 08, 2006

三人の容疑者---五所川原邸宝石盗難事件

三人の容疑者---五所川原邸宝石盗難事件

 大富豪として知られる五所川原亮蔵邸から警察に事件の第一報が入ったのは、すでに明け方にほど近い深夜未明のことであった。その夜、当主の亮蔵は妻と海外旅行中で、留守宅には執事の長島寅三、個人秘書の山下宏一郎、住み込みで働く女中頭の浜野雅子の三人が主人の留守を守って在宅しているだけだった。地下の金庫室に付けられた非常ベルが鳴ったのは、その夜の深夜三時過ぎのことであった。寝ぼけまなこで駆けつけた三人の目に映ったのは、大きく開け放たれた金庫の扉に貼り付けられた一枚の紙。そこには「お宝はもらった 五右衛門」との文字が黒々とした筆致で大書されていた。五所川原亮蔵の所有する数多くの高価な宝石類の中でも指折りの逸品である「シヴァの炎」と名付けられた巨大なルビーの首飾りが金庫室から忽然と消えていたのであった。三人は震える手で電話をとり所轄の警察に通報してきたのである。

「すると、屋外からの侵入があったという形跡は皆無なんですな?」と担当刑事が尋ねた。
 刑事の目の前に対峙しているのは、その夜、五所川原家に在宅していた初老の使用人三人である。三人を代表して執事の長島がまず口を開いた。「ご主人様は決して銀行を信用されない御方です。ご自身の財産と言えるものは全て、この金庫室で保管管理しておりました。それだけにこれほどのお宝や高額な美術品のございますこのお屋敷は、並みの銀行では及びも付かぬほどの最新の電子警備システムでセキュリティされております。もしも賊が外壁などを乗り越えようとしましても、壁に手を触れた瞬間に警報装置が響き渡ったはずですし、万一、お屋敷に近づくことが出来たとしても、外部に連なる扉や窓の開閉はそれがどんなに些細なものであっても全て保安用のコンピュータに記録されております。先ほど調べてみましたところ、昨日の夕方以降、建物の扉や窓が開閉された記録は一切ございません」
「確かに、侵入の形跡はおろか、屋外には不審な足跡や痕跡なども一切ありませんでした」と現場を調べた鑑識係が担当刑事に告げた。
「同時に、この金庫室のロックもダイヤルナンバーを知っている者でなければ、それこそダイナマイトでも使わないことには決して開きません」と秘書の山下宏一郎が言った。「それだけにどうやって賊が屋内に侵入し、ご主人様の大事なお宝を盗み出していったのか、私には不思議でなりません」
「そのダイヤルナンバーを知っているのは?」と担当刑事が尋ねた。
「それは、もちろんご主人様ご夫妻と……、その他にはこの場におります三人だけでございます」と山下。
「外部からの侵入者も無い上に、金庫の扉を開けられる者もごく限られるということになると、犯人は自動的にあなた方三人のうちの誰か……ということになってしまうが」と刑事が告げると三人は不安げな面持ちで互いに顔を見合わせた。
「私はこのお屋敷に既に三十有余年、勤めております」と女中頭の浜野雅子が言った。「執事の長島さんもまた同様ですし、個人秘書の山下さんは父親の代から二代続けて大旦那様にお世話になってきた者です。そのような大それたことをする者が、この三人の中にいるとは到底思えないのですが」
「それを調べるのが警察の仕事です」ときっぱりとした口調で担当刑事は言った。「盗難事件のあった時間、皆さんの中にアリバイがある人は……?」
 三人は一様に押し黙った。犯行時刻が深夜だということでもあり、三人ともにアリバイが無いのも不思議ではない。
「ところで、現場に残してあった書き置きの『五右衛門』という名前に心当たりのある方はどなたかいらっしゃいますか?」
「はぁ……、それはおそらく、泥棒が石川五右衛門を気取ったんでは? 五右衛門といえば何と言っても大盗賊ですからねぇ」と山下。残りの二人もその言葉に自信なさげに頷いた。
「そうでしょうね、おそらく……」刑事は言うと、それまで刑事の後ろで黙って尋問の推移を見守っていた警部に声を掛けた。「で、警部はどのようにお考えですか?」
 刑事から声を掛けられた警部はゆっくりと面を上げて三人を見つめると、しばらくの沈黙の後、独り言のように言った。「私には犯人が分かったよ」
 えっ……?!と驚くその場にいた全員。「は、犯人はいったい誰だと……?」と刑事が呟くのと同時に、警部はその場にいる一人をいきなり指さした。
「犯人はお前だっ!」

 警部にそう指摘された人物は、呆然とした顔つきで眼前に突き出された警部の指先をしばらく凝視していたが、悔しげに唇を噛みしめると「そうです、この私がやりました」と吐き出すように言うなりその場にわっと泣き崩れた。

「これで事件は一件落着ですな。犯人の部屋に隠されていたシヴァの炎も無事に発見できました」と担当刑事は報告した。「それにしても警部、いったいどうやって犯人が分かったんですか? 私には未だに何が何やらさっぱり……」
 警部は担当刑事をじっと見て言った。「ヒントは犯人が書き残していった『五右衛門』という名前だよ」

 さて、警部が名指しした真犯人とはいったい誰だったのでしょうか? 正解はCMの後で。

▼CMの時間を利用して、買った新刊など。

 ヒラリー・ウォー「ながい眠り」(創元推理文庫)
 エラリー・クイーン「間違いの悲劇」(創元推理文庫)
 ギジェルモ・マルティネス「オックスフォード連続殺人」(扶桑社文庫)
 マイクル・コナリー「エンジェルズ・フライト (上・下)」(扶桑社文庫)

 また出たっ! マイクル・コナリー。その他には特にコメントしたいような本はないなぁ。

▼目録注文の古本が三冊ばかり。

 ゴーグ「夜の恐怖」(平凡社世界探偵小説集第十五巻、S4、2,000円)
 リング・ラードナー「微笑がいっぱい」(新潮社、1970、1,500円)
 リング・ラードナー「息がつまりそう」(新潮社、S46、1,500円)

 リング・ラードナーの二冊は高校の図書館に置いてあった本で目を通しているため、俺には珍しく既読である。もう一冊の「ここではお静かに」だけは(たぶん)持っている(と思う)ので、当時、新潮社から出た三冊の短編集はこれでようやく揃った(んではないかと思う)。そういや昨年出たJ・ディーヴァーの「獣たちの庭園」で、主人公のマフィアの殺し屋が親しく付き合っていた友人が確かリング・ラードナーという設定ではなかったか。昨年のP・G・ウッドハウスのミニブームに引き続き、近い将来、リング・ラードナー再評価の時代も必ずや来る!……と今のうちに大胆予測しておいてやろう。

lomeBF0DCE
▼DVDとCDの両ソフトでロギンス&メッシーナのリユニオン・コンサート・ライブを収録したSITTIN'IN AGAIN AT THE SANTA BARBARA BOWLが出ましたなぁ。もちろん両方とも買いました。ついにロギンス&メッシーナまでが再結成ライブかぁ……と感慨もひとしお。CDには13曲が収録されているけど、DVDには全21曲+1973年に行われたL&M全盛期のライブ映像も5曲、ボーナス・トラックとして収録されているのでこちらの方がお買い得。ま、ファンはどうせ両方とも買うんだろうけどね。
 
『三人の容疑者』回答編

「ヒントは犯人が書き残していった『五右衛門』という名前だよ」と警部は言った。
「五右衛門という名前のいったいどこがヒントだと……?」刑事は思わず尋ねた。
「君は石川五右衛門を知っているか?」と警部は刑事に問うた。「そりゃもちろん知ってますよ。確か秀吉の時代に我が子と一緒に京の河原で釜ゆでにされた大泥棒ですよね」
「そうだ。それじゃ釜ゆでにされた時に五右衛門の遺したという辞世の歌も知ってるか?」
「えぇと……、それはどんなものでしたっけ?」
「それでは教えてやろう」と警部は言った。「よく聴けよ。『石川や 浜野雅子は尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ』……というのさ。ふふん、これで分かったろ?」
 警部は高らかに笑うと、パトカーを発進させたのだった。(了)

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December 07, 2005

名古屋忘年オフ&メリー・クリスマス、聖子ちゃん!

▼恒例の名古屋忘年オフ。今回は新顔がまったく参加しないオフなので、ワクワク感も緊張感もまるでない。以下箇条書きで心に残ったことなどを二つ三つ。

◎耳を傾けよ!
 どういうつもりなのかは知らないが、1941の片耳にピアスが光っている。光るのはその頭だけで既に充分なくらいなのになぁ。それにしても、地下鉄に乗れば若い人に席を譲ってもらえて当然の年代で、耳にピアスなんかしている奴もそうは滅多にいないだろう。ピアスをよく見てみると仏様の形をしておりました。いったい何のオマジナイなんだ? ボケ封じか? その後、女性陣から「片耳だけにピアスをしてるのは、実はホモの目印なんだって」と鋭く指摘されて狼狽する1941。狼狽すんなよな(笑)。このブログをお読みの方でフケ専&ハゲ専等もしもその道の方がいらっしゃいましたら、ぜひ1941に直接コンタクトを取られてみては如何なものかと。

◎クリスマスプレゼントの冒険
 誰からもクリスマス・プレゼントなど貰ったことがないという心寂しい皆さんに大変なご好評を戴いております名古屋忘年オフ恒例のプレゼント交換は、今年は各自手持ちの本を持ち寄ることとなった。アミダで順番を決めてそれぞれ持ってきた本の中から欲しい本を選んでいき、本が最後まで残った者には恐ろしい罰