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January 31, 2006

その他もろもろ備忘録

▼忙しくてしばらくここに書き込まないでいるとBLOG PETのやりたい放題にされてしまうので、あくまでも備忘録的に。

七人のマッハ!!!!!!!!を観てきた。東京では昨年から上映されていたようなのだが、名古屋では年明けになってからようやく公開されたのだった。
 この「七人のマッハ!!!!!!!!」という映画は無論のこと、純粋にアクションだけを愉しむもの。他には何にも無い点がかえって潔い。この手の映画は作る側も観る方も圧倒的にIQを低くして観ないと楽しめない。殺されても殺されても何処からか湧いて出てくる村人やテロリストたち、たかが麻薬の密造人風情なのに何故だか核ミサイルまで持っている悪党ども、サッカーボールを頭に当てられただけでバタバタと倒れていくザコ敵連中・・・・。観る側にもそういう些末な瑕瑾には出来るだけ目をつぶって鑑賞する心構えが必要である。トニー・ジャー(最近では「トニー・チャー」との呼び方が定着しつつあるようなのだが)の超人的アクションにはさすがにひけを取るが、この「七人・・・・」もアクション映画としてはなかなか楽しい仕上がりだ。七人のスポーツ選手たちの特技が映画の中のアクションにあまり活かされているとも思えないのが難点なのだが(意外に見栄えするのは新体操、駄目なのはサッカーとセパタクロー)、あいかわらずホントに殴りあったり蹴りあったりしているのでそれだけでも充分に痛そうではある。特にすごいのは、やっぱり命がけのスタント・シーン。言葉だけの「命がけ」ではなく本当の意味で命を賭けた--しかも、撮影後に無事に生存する確率の方がどちらかといえば少ない--必死のアクション場面はやはり見応えがあります。東南アジアってホントに人間の命がやっすいよなぁ。映画のラストに流れるメイキング映像を観ていると、「いやぁ、たまたま今回は運がすっげぇ良かったので何とか命だけは助かりましたぁ!」というようなとんでもないスタントを終えた直後、スタッフから起こるまばらな拍手が何とも痛々しいほどに素敵だ(笑)。劇場で「トム・ヤム・クン」の予告編が観られたのもラッキーだった。

REX_DVD▼レンタルビデオ屋をうろうろしていたら「REX レックス」というDVDを見かける。カバジャケを見ると、大都会を歩く恐竜の脚を背景にして映る三人の男女(写真左)。「ジュラシック・パーク」以降、よくある恐竜パニックものの一本だろうと思ってその場に捨て置きかけたものの、もう少し丹念にスタッフ陣を眺めてみると、原作がなんとエリック・ガルシアだ! そう、これはあの「さらば愛しき鈎爪」を原作としたTVムービーだったのだ。いやぁ、こんなものがDVDで出ているなんて、ミステリ関連の雑誌のどこにも出てなかったぞ。いや、もしかするとどこかの雑誌の片隅にでも書いてあったのかもしれないが、まるで記憶にない。それにしてもこのカバジャケの写真や「現代に復活した太古からの遺伝子―想像をはるかに超えた無敵のミュータント・ヒーロー<レックス>誕生! どいつ<狼>もこいつ<ヴァンパイア>もまだまだ餓鬼<ガキ>だぜ!」なぁんて宣伝文句から、このビデオの原作が「さらば愛しき鈎爪」だなんていったいどうやったら分かるというのだ。そもそも「さらば愛しき鈎爪」の主人公の恐竜私立探偵はヴェロキラプトルなんだから、レックスなんて関係ないはずなのに。
 ・・・・などと文句を呟きながら、とりあえず観てみました。主演のロリー・アン・アルターという男優こそ馴染みがないが、ダニエル・ボールドウィン、フェイ・ダナウェイ(!)、アイザック・ヘイズ(!!)なぁんて(そこそこ)豪華な面々が脇を固める。フェイ・ダナウェイなんて、今、こんなドサ回りに近いような仕事をやっているんだなぁ。思わず「栄枯盛衰」とう言葉が頭をよぎる。そのついでに、「巨乳&スカトロマニアが喉から手が出るほど欲しいもの--(小池)栄子聖水」という言葉もちょっとだけ頭をよぎる。
 本編自体は、観たからといって、これからの一生、心に残るような傑作ではないが(当たり前か)、俺のように「『さらば愛しき鈎爪』を原作とした映画を観たぞぉ!」・・・・とどこかで言いたい人はぜひ。

▼同じくレンタルDVDで、かねてより懸案の「フォーガットン」も観た。様々な媒体から、いくら何でもこの結末は無いよなぁ・・・・というような情報を事前にインプットされ過ぎていたせいなのか、なに、そこまでひどいものとは思えなかったな(無論、誉められるような出来ではないのだが)。ひょっとすると、事前に接していたダメダメ情報の過剰さによって俺の心に耐性が出来ていたのであろうか? ちなみに「映画秘宝3月号」は毎年恒例の「映画秘宝ベスト10&トホホ10」発表。てっきりこの「フォーガットン」がトホホ分野でかなりの票を集めるかと思っていたのだが、意外にそれほどでもない。俺同様、観る前に心に耐性の出来ていた人が多かったということなのかな?

▼売れ残りビデオの安売り特売で爆笑問題の「new treasureship」(日本ビクター)というコントビデオを買う。定価3,800円のビデオが何と7割引だぜ。先日、TVで久々に爆笑問題の漫才を視たが、やっぱり面白ぇなぁ。

▼しかし、このところで観たDVDの中で心の底から観て良かったと思えた一本は、やはり「キング・コングができるまで 製作日記」ということになるだろう。これは単なるメイキングではなく、現在のハリウッドのメジャー映画が出来上がっていくまでにはいったいどれほどの手間と知恵と労力を集めなければならないか、に関するドキュメントだ。スクリーンの片隅にほんのちょっぴり映る(時には映るはずもない)セットや小道具、髑髏島のジャングルに生える苔や土の色、果ては画面の隅に転がっている石の形に至るまで、果たしてここまで凝る必要がホントにあるのかと思わずため息をつきたくなるほどに考えに考え抜かれて(ピーター・ジャクソンの映画は)作られているのである。たとえ「キング・コング」を観ていなくとも、映画好きの方々やもしもこれから先に映画製作に関わりたいと思っているような若い人たちにはこのDVDは必見だろう。もっとも、まだ「キング・コング」すら観ていないような輩は、どっちにせよたいした映画好きでもないだろうけど。つーか、そんな奴ぁ、決して映画を作りたいなんて思うなよ!
 ともかく、スタジオ撮影の最終週、疲労の極みに達したピーター・ジャクソンが、撮影中でも少しでも居眠りができるようにと、一日だけという条件でわざわざニュージーランドまで呼んだピンチヒッターの監督代行が、ブライアン・シンガーとフランク・ダラボンの二人! 何とまぁ豪華なことか。それぞれ僅か一日だけの代理監督を務めたのだが、「キング・コング」のエンドロールの中で彼らの名前は正式にクレジットされていたっけか?
 それと、この製作日記の中でピーター・ジャクソン本人の口から「キング・コング2」と「3」の製作も発表されている。「2」は今年6月、「3」は今年の年末に早くも公開予定だとか。時代設定は1940年代。二代目コングは今度はヨーロッパに連れて行かれてヒットラーの軍勢と戦うんだそうな。う~む、つくづく凄いことを考えるもんだ。

▼買った新刊はあいかわらず手短に。

 ブライアン・ラムレイ「地を穿つ魔」(創元推理文庫)
 唐沢なをき「漫画家超残酷物語」(小学館)
 みうらじゅん「カスハガの世界」(ちくま文庫)
 池上永一「シャングリ・ラ」(角川書店)
 矢野誠一「酒場の芸人たち」(文春文庫)
 筒井康隆「銀齢の果て」(新潮社)
 グレッグ・ルッカ「逸脱者 (上・下)」(講談社文庫)
 エドワード・D.ホック「サム・ホーソーンの事件簿 4」(創元推理文庫)
 パトリック・ニート「シティ・オブ・タイニー・ライツ」(早川書房)
 山本弘「まだ見ぬ冬の悲しみも」(早川書房)
 米原万理「必笑小咄のテクニック」(集英社新書)
 クリフォード・ウィッティング「同窓会にて死す」(論想社海外ミステリ)
 アントニー・ギルバート「つきまとう死」(論想社海外ミステリ)
 ジョン・クリーシー「トフ氏に敬礼」(論想社海外ミステリ)
 ノーマン・ベロウ「魔王の足跡」(国書刊行会世界探偵小説全集)
 有栖川有栖「謎は解ける方が魅力的 有栖川有栖エッセイ集」(講談社)
 チャールズ・ベノー「レッド・ダイヤモンド・チェイス」(早川HM文庫)
 夢枕獏「楽語・すばる寄席」(集英社)
 スティーヴン・キング「ダーク・タワーⅢ 荒野(上・下)」(新潮文庫)
 ジョン・クリード「シャドウ・ゲーム」(新潮文庫)
 「NHK知るを楽しむ(2005年12-2006年1月) 私のこだわり人物伝」(日本放送協会)
 「ミステリマガジン 2006/3月号」(早川書房)
 「SFマガジン 2006/3月号」(早川書房)
 「大槻ケンヂのプロレス格闘技世界の大凡戦」(洋泉社MOOK)
 「笑芸人 (Vol.17(2005冬号))」(白夜書房)

 この新刊本の中で入手に意外に手間取ったのは「漫画家超残酷物語」と「シャングリ・ラ」の二冊。「漫画家超残酷物語」は昨年12月に出版されたばかりだというのに、もう在庫切れで版元やネット書店も含めて入手が叶わず。唐沢なをきってそんなにも売れてる漫画家とも思えないのだが(いや、そんなに売れていないからこその在庫切れなのか?)。昨年のミステリベストテン選びの中で何度か名前の挙がっているのを見かけた「シャングリ・ラ」も、買うのをちょっと躊躇している間に店頭ではさっぱり見かけなくなった一冊。「超残酷物語」の方は、たまたま平積みになってる本屋で見つけ、「シャングリ・ラ」の方は俺の密かな啓蒙活動のおかげもあってか(?)昨年末に重版されていたおかげで、どちらも何とか手に入ったが、最近では古本よりも賞味期限の短い新刊の方が探すのがよっぽど大変だ。
 筒井康隆久々の長編小説である「銀齢の果て」は、実に久しぶりに著者お得意のドタバタが楽しめる。齢七十歳を過ぎてこれだけのスラップスティックが書けるのは、何ともはやご立派と言うしかない。何だかすっごく久しぶりに筒井康隆の純文学寄りではない面白小説を堪能したぁ……という感じだな。しかもこの小説の元ネタは高見広春の「バトル・ロワイヤル」。筒井のような一応は「巨匠」と呼ばれる立場のベテラン作家が新人作家の処女作の設定を借りて長編小説を一冊書き上げちゃうんだから、やはりこれは並みの「巨匠」の出来ることではない。おそらくは筒井康隆最後のスラップスティック長編となることを予感しつつ読者は満喫されたい。
 夢枕獏の「楽語・すばる寄席」は話芸集団SWAを構成する林家彦いち、三遊亭白鳥、神田山陽、春風亭昇太、柳家喬太郎の五人の若手噺家(一人は講談師だが)のために書き下ろされた落語集。とりあえず最初の一編だけ読んでみたが、タイミングの悪いくすぐりはともかくとしても噺としての結構が悪すぎる。夢枕獏はやはり落語作者には向いていないようだね。こんなものを書いている暇があるんだったら、伝奇ものや格闘技ものを早く書いて欲しい・・・と夢枕ファンなら思うと思うがなぁ。
「NHK知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」は教育テレビで放映されている(らしい)同タイトルの番組の雑誌(テキスト)化。どんなに暇でも教育テレビなど視る習慣はないからそんな番組の存在自体知らなかったが、乱歩と風太郎という二人の異能児ををそれぞれ大槻ケンヂと鹿島茂が論じている。その大槻ケンヂ関連でもう一冊、「大槻ケンヂのプロレス格闘技世界の大凡戦」は昨年の夏前に出たMOOK本だが、半年以上過ぎてようやく本屋で見つけた。プロレスにしても乱歩にしても語りたい人は世に山ほどいるはずなのだが、そういった人たちを尻目にシレッと語ってしまう無分別さが大槻ケンヂの良い点だと思う。
 遅まきながら「笑芸人」の2005年冬号もようやく買う。今回の特集(「ここが笑いのG(ギャグ)スポット!」)にはあまり食指が動かなかったのだが、ここで買うのをやめると創刊号以来の購入記録が途絶えちゃんもんな。

▼この間、古本も何冊か買ってはいるが、それについて今、書いている余裕がない。所詮はBOOK-OFFで拾った本なのでたいして書くこともないのだが。

【2/10追記】
本文中、DVD「キング・コングができるまで 製作日記」に触れた部分で、「この製作日記の中でピーター・ジャクソン本人の口から「キング・コング2」と「3」の製作も発表されている。「2」は今年6月、「3」は今年の年末に早くも公開予定だとか。時代設定は1940年代。二代目コングは今度はヨーロッパに連れて行かれてヒットラーの軍勢と戦うんだそうな」と書いているが、これはどうやらピーター・ジャクソンの悪ふざけだということである。いや、そんなこと言わずにぜひとも実現して欲しい。だって、この設定だけでも無茶目茶面白そうなんだもん。

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