新宿!
実にハードな出張だった。訪れたのは東京→茨城→埼玉→神奈川→東京と、たかが一泊二日の出張にしてはいくら何でも動きすぎ。しかもそれぞれの訪問先での交渉も胃がキリキリと痛むようにシビアなものばかりだ。
まぁそんな中で唯一、のんべんだら~りと出来たのが「熱烈歓迎未読王新宿オフ」である。これだけ緊張しなくて済むオフも珍しい。まるで名古屋オフのようだ(笑)。
ということで待ち合わせ定刻時間の少し前にホテル入り。めんどくさいんで俺の宿泊先である新宿プリンスの地下ロビーを待ち合わせ場所にして大正解だったな。数年ぶりに訪れた新宿は、もう俺にとってはすっかり異邦の地同然の変貌ぶり。闇市とかはもう全然無いんでやんの。
とりあえず集合時間が来るまでの時間つぶしにホテルに隣接された西武新宿ペペ内の本屋でリック・リオーダン「殺意の教壇」(小学館文庫)を購入。ふと横を見るとCD屋もあったのでついフラフラと覗いてみると、俺が長年探していたケニー・ロギンスの「Alive!」のDVDがあったのでウホウホ言いながら買う。もっともたった今、この文章を書きながらamazonで検索してみたらあっさり見つかってしまった(しかも俺が買ったのよりも安い値段で!)のがちょっとショック。ホントに俺ってこのDVDを探してたのかよぉ! ついでに輸入盤のポール・サイモン「The Paul Simon Songbook」も購入。このCD、もちろん国内盤は持っているのだが、輸入盤にはボーナストラックが2曲入っているのでいつか買わねばと思っていたものなのだ。
そうこうしている間に集合時間の7時。ロビーに行くとそこに集まっていたのは元「絶好調」の石井春生、葵、現「未読王ファンクラブ」会員の里見、カエルと女性ばかり。そんな中に俺が入場していったのだから(さすがに年齢層もそれなりに高いので)嬌声こそ沸き起こらなかったものの、みんな、キラキラと目を輝かせてうっとりと俺を見つめている、まるでヨン様にでもなった気分だ。もう一人、石井春生に誘われて俺が小学校2年の時に離ればなれになった憧れの井上マリコ先輩も来ていたのだが、今やもうすっかり昔の面影は無い。というよりも、ほとんど性別すら変わってしまったかのようだ。
そうこうしている間に“夢の密室”ことたっくんが登場。ネット上の付き合いは古いものの実世界でのたっくんとはほとんど面識が無いので「脂ぎった小太りの中年男」と予想していた俺なのだが、葵がすかさず「ほら、脂ぎってなんかいないでしょ」と言う。せっかく言うんなら「小太り」もついでに否定してやれよな(笑)。
その後、よしだ まさし登場。眼前まで来ても、目は空中のあらぬところを見ていて我々の存在にまるで気づかない。もしも全品三冊200円の古本屋にでも入ったりするとあんな目付きになってるんだろうなぁ、きっと。続いて後輩の北原尚彦もやってくる。後輩と言ったって、俺に今まで献本の一つもしやがらねぇまるで頼りにならない後輩なのだが。北原より一足早くやってきた「手下その2」ことK藤の先導で予約を入れてある「月の雫」なる店に到着。この店、紀伊國屋書店のほとんど真横にあるんだなぁ。
狭い座敷に通されると俺を中心としてものの見事に「古本馬鹿組」と「ただの馬鹿組」の二派に分かれる。その後、遅れてきた彩古がやって来て、まっしぐらに「古本馬鹿組」の方に向かったのは当然と言えば当然のこと。オフに遅れてきた理由は、どうやら会社帰りに池袋の古本即売会に顔を出してきたらしい。そのことに関して誰からも非難も批判も一切出ないのは、ある意味、さすがというか、まぁみんなもうすっかり諦めているんだろうなぁ。最後に今日の幹事のくせしてついさっきまで寝てたという「手下その1」ことO竹(←これでもサラリーマン)も到着し、これでとりあえず今日の参加者全員が揃った。
あとはまぁいつものオフの如し。「古本馬鹿組」とも「ただの馬鹿組」とも、ホント、会うのは久しぶり--てゆーか、わざわざ名古屋まで俺に会いに来た「未読王ファンクラブ」の里見、カエル両名を除くほとんどの人たちと会うのは世紀をまたいでいるのだが、そこはネットつながりの利点なのか、互いの日常を知っているので何だか今まで毎日会っていたような気分。自己紹介を兼ねて、全員がこの俺に過去にどれほど世話になったのかを発表して貰ったのだが、これがまぁみんな話が実に長くてなおかつ面白い。どれほど話しても俺から受けた恩恵は語り尽くせない・・・といった風情である。俺はマザー・テレサか!と言いたくなるほどだが、こういう話なら何時間でも心地よく聴いていられるな。
そんな話の中で印象に残っているのは、石井春生が、俺が東京にいた間ずっと住み着いていた祐天寺の出身だったという驚愕の事実。しかも訊けば、俺の下宿と石井春生の実家はおそらく百メートルも離れていないと思われる。それじゃ絶対に一度や二度は祐天寺の古本屋の中ですれ違ってたよなぁ。
もう一つは、今年、よしだ まさしが本の雑誌社から出す予定の富田常雄の評伝は予想以上に出版が早まるかもしれないということ。本の雑誌社は意外に仕事はきっちりやる出版社なのだ。・・・但し、進行状況も含めてそれを著者に一切教えないのが玉に瑕なのだが。
予定を一時間ほど延長したのにも関わらず楽しい時間はあっという間に過ぎる。それにしても右を見ても左を見ても、「絶好調」時代の話と学生時代の逸話中心でどっぷりとノスタルジィに浸かった数時間だった。思いの外楽しかったので、これから毎週週末に上京してオフをやってもらおうかなぁ(迷惑か?)
店を出るが時計を見るとまだ10時。まだまだ子供の時間だ。よしだ まさしと手下その1のO竹を誘ってゴールデン街へと向かう。ゴールデン街なんて実に10年ぶりくらいだ。目指すは「深夜+1」である。
店に着くと他のお客はゼロ。「あれ、会長は?」とよしだ まさしが尋ねると、トイレの中から「いるよぉ」との声が。店主にして日本冒険小説協会の内藤陳会長である。ミステリとコメディ双方のヲタクであるこの俺にとって内藤陳は二重の意味で雲上人である。トリオ・ザ・パンチの頃の今にも切れそうなナイフのように研ぎすまされた印象とは異なり、今ではすっかり菩薩のような風貌で、失礼ながらもお歳を訊くとまだまだ十分にお若い。こちらは子供の頃からTV画面の中で観ている人なので何となく感覚が変になるのだ。
よしだ まさしが俺のことを「この人、風呂でシャンプーしながら本を読む人です」と紹介してくれるが、そんな変な紹介の仕方があるかいっ! そのまま貸し切り状態で会長のお話を拝聴する。すっごく贅沢な時間である。
終電に間に合うようによしだ まさしが引き上げたので、残された我々二人は引き続き、内藤陳会長のお話を。ミステリの話は無論のこと、映画や最近のお笑いブームに至るまで話題は多岐にわたり実に楽しい時を過ごさせてもらいました。特に師匠である泉和助の話が聴けたのは収穫だったなぁ。明日もあるので後ろ髪を引かれつつ、一時半過ぎにホテルに引き上げる。おかげで翌日は移動中の電車の中で、ほとんど寝て過ごす羽目になったけど。
翌日夜、全ての仕事を終えて名古屋に帰着。その足で三省堂書店に駆け込み、とりあえず原寮の「ハードボイルド」(早川JA文庫)とチャック・パラニュークの「ララバイ」(早川書房)の二冊を購入。「ララバイ」は、聴いた者が全て死ぬという呪いの子守歌を巡るホラーらしい。これって、もしかしてモンティ・パイソンの「聞けば誰でも笑い死にする恐怖のジョーク」というスケッチと同趣向じゃないのか?




































Comments
出張二日目は前夜のオフの疲れが出てほとんど仕事にならず、結局、来月早々、また東京に出張しなくてはならなくなりました。
とはいえさすがに今度は日帰り。オフどころではありません。仕事の合間を縫ってせいぜい古書市を二つ三つと神田と高田馬場の古本屋を廻るくらいが精一杯だと思います。
Posted by: 未読王 | April 27, 2005 at 03:14 PM
自己レスです。
あー、フルキャストはドームじゃないかもしれまへん(^^;)。
西武球場はインボイスになったんでしたっけ。パ・リーグのホームグラウンド名の変化についていけてません。
Posted by: 葵 | April 26, 2005 at 08:17 AM
王様、先日は楽しゅうございました。
久しぶりにご尊顔を拝し奉り、眼福の至りでございましたとも。
>思いの外楽しかったので、これから毎週週末に上京してオフをやってもらおうかなぁ(迷惑か?)
生(なま)王様を見たかった、という隠れファンも多数おられることですし、この際、いいのでは?
ついでに、北海道、フルキャスト、東京、名古屋、大阪、ヤフーの各ドーム球場でのトークショーもいいと思います。私は行きます。
Posted by: 葵 | April 26, 2005 at 08:15 AM