May 07, 2008

名古屋定例オフ詳細

 名古屋定例オフの詳細が決定したいました。
 今回の一次会は、五月場所での朝青龍の健闘を祈るとともに高木彬光の「成吉思汗の秘密」の刊行五十周年を記念致しましてモンゴル料理と致しました。

★☆★☆★☆★名古屋定例オフ詳細☆★☆★☆★☆
日時:6月14日(土)
集合時間:18時
集合場所:栄地下街クリスタル広場鎌倉文庫前あたり
一次会場所:モンゴルレストラン シンキロー
        名古屋市中区栄4-6-40 岡崎ビル2F
        052-263-7731(HPは下記に)        
一次会費用:食べ放題飲み放題で4300円(3時間の予定)
二次会:たぶんあり
三次会:ま、ちょっと覚悟はしておけ
本のプレゼント交換会:正直、実施するかどうか悩んでます。過去にずっと実施してきたこの行事ですが、振り返ってみれば俺は一度たりとも得をしたことがない。ずっと持ち出しだ。年末の忘年オフくらいは、誰からもクリスマスプレゼントを貰えないという可哀想なくろけんのためにやってもいいのだが、6月オフは特に名目もないもんな。皆さんのご意見をお待ち致します。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆

 店の様子は下記写真を参考のこと。店内ではモンゴル衣装も無料で貸し出してくれるそうですので、気分はすっかりキラー・カン。もしも店の名前が覚えにくいという方は「金嬉老」でも「金語楼」でも「キダタロー」でも好きに憶えて戴いて結構です。シンキローのHPはhttp://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000662456.htmlP_top_l
 ご覧の通りの広い店内では、モンゴル楽器の演奏等もあるそうですので、オフ参加者は全員、当日までにホーミーの一つも歌えるようにしておくこと。また、モンゴル相撲の飛び入り参加も受付中です。

 なお、現在までの参加予定者は、太田忠司、くろけん、1941、rosio190、ぽかぽか、ゆーたん、ぴょん先輩、こいん、びりい・0、大矢ひろこ、いつみねこ、かおかお、未読王(参加申込順)。モンゴル相撲へのエントリーは今のところこいん一人だけですので、まだ間に合います。参加希望者は本欄へのコメントにて参加表明をお願い致します。申し込みの締切は6月7日(土)と致します。

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April 30, 2008

名古屋定例オフ告知(承前)

やぁ、僕です。未読王です。みんなは元気かな? 僕は毎日、犬の散歩のお供をしているおかげですっごい元気です。つーことでオフ告知です。

◎名古屋定例オフ◎

実施日:6月14日(土) 集合時間18時(予定)
場所:栄町近辺のどこか

 これから店の予約に移りますので、皆様も早めの参加表明をお願いします。以降の詳細はまた後日。

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November 06, 2007

名古屋忘年オフ始動!

 光陰矢の如し、日本の歳末を彩る恒例行事「名古屋忘年オフ」の季節がまた今年も巡って参りました。ということで、幹事を仰せつかったみわっちさんがオフ会場となる店を既に仮予約しておりますので、本日より参加を受付致します。皆様、ご近所の女子大生女子高生看護婦フライトアテンダントなどお誘いあわせの上、奮ってご参加願います。

開 催 日:12月1日(土)
集合時間:18時30分
集合場所:栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:「貴楽家 悠.」
     名古屋市中区栄3-12-6 インペリアルプラザ1F Tel.052-249-8752
(http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000015735.html)←地図確認のこと
参 加 費:約4千円(一次会のみ)
二 次 会:あり。場所、費用は当日の気分でテキトーに決定
三 次 会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
そ の 他:今回もまた愛の歳末助け合い運動に協賛する意味で恵まれぬ方へのクリスマスプレゼントとなるように「本の交換会」を実施いたしますので、誰かにあげてもいい本を最低一冊ご持参下さい。決して「不要本の捨て場」ではありません。結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ますので、参加される皆さんは慎重な上にも慎重にプレゼント本の選択をしてきてください。

参加者募集締切は11月28日(水)といたします。参加をご希望の方はこの記事のコメントの形で参加表明して下さい。いつもの通り、募集締切日を超えましても妙齢でスタイル抜群の美人の独身女性に限ってはたとえオフ当日であろうとも参加を受付いたしますので安心してご参加の程願いあげます。

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June 15, 2007

定例名古屋オフ最終告知

 幹事のくろけんの怠慢によりなかなか最終告知ができませんでしたが、ようやくまとまったようなので、--オフの前日ではありますが--くろけんの書いた案内文に対して誤字脱字の訂正、日本語として文法のおかしな言い回しの修正、文学的装飾や比喩等を加えて再掲させて戴きます。

日  時:6月16日(土)
集合時間:午後6時30分
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:イタリア料理 BORDER 2(名古屋市中区錦3-17-27 ソシアルビルM-1F、052-961-6733)
http://r.gnavi.co.jp/n017800/
参加費:4000円(飲み放題)
二次会:あり。場所、予算は当日の気分でテキトーに決定
三次会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
その他:今回も懲りずにプレゼント本の交換を実施いたします。参加の皆さんは限りある全知全能を振り絞ってプレゼント本の選択をしてきてください。その結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ます。
現在までの参加予定者:1941、rosio190、ゆーたん、太田忠司、 びりい・0 、こいん、いつみねこ、かおかお、さち、大矢、 edge、おさる、みわっち、いち、ぽかぽか、未読王、くろけん(幹事)

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May 31, 2007

定例名古屋オフ詳細発表

幹事のくろけんから次回オフの詳細がようやく発表されましたので、この私がくろけんの書いた告知文の誤字脱字や文法の誤りを訂正した上で再掲しておきます。

日  時:6月16日(土)
集合時間:午後6時30分
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
会  場:イタリア料理 BORDER 2(名古屋市中区錦3-17-27 ソシアルビルM-1F、052-961-6733)
http://r.gnavi.co.jp/n017800/
参加費:4000円~4500円の予定(飲み放題)
二次会:あり。場所、予算は当日の気分でテキトーに決定
三次会:あるかもしんない。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
その他:今回も懲りずにプレゼント本の交換を実施いたします。参加の皆さんは限りある全知全能を振り絞ってプレゼント本の選択をしてきてください。その結果如何によっては次回オフ幹事にあなたが指名される場合もあり得ます。
現在までの参加予定者:1941、rosio190、ゆーたん、太田忠司、 びりい・0 、こいん、いつみねこ、かおかお、さち、大矢、 edge、おさる、未読王、くろけん(幹事)

参加者募集締切は6月9日(土)を定しておりますので、皆様奮ってご参加ください。いつもの通り、募集締切日を超えましても妙齢でスタイル抜群の美人の女性に限ってはたとえオフ当日であろうとも参加を受付いたしますので安心してご参加願います。

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May 14, 2007

【定例名古屋オフ】告知第一弾!

 やぁやぁやぁ、僕です。未読王です。長い間この「未読王購書日記」をブログペットのきゅーび君に任せて海外に遊学していたためにすっかりご無沙汰しちゃったなぁ。とはいえ、定例の名古屋オフだけはきゅーび君に任せるわけにはいかないので、こうしてまかり出た次第です。
 ということで、定例名古屋オフの告知です。

 時:6月16日(土) 夕方~

 今のところ、決まっているのはこれだけ。

 他の詳細については、前回のオフで確信犯的にボケをかました罰として幹事を仰せつかることとなった黒田研二ことくろけんが--作家生命を賭けて--段取りすることと思います。とりあえず参加受付は本日からスタートしますので、ご近所お誘い合わせの上、ぜひ多数の皆様のご参加をお待ちしております。参加申し込みは本発言のコメントでお願いします。

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December 01, 2006

名古屋忘年オフ最終参加者確定リスト

【一次会より参加】みわっち(幹事)、太田忠司、大矢、くろけん、ゆーたん、こいん、さち、かおかお、いつみねこ、rosio190、未読王、びりぃ0、おさる、たれきゅん(14名)
【二次会より参加】1941(1名、もしかしたらぽかぽかも二次会に突発参加するかもしれません)

 これでよろしいでしょうね。
 ということで忘年オフはもう明日だ。俺は明日、ゴルフに行くために五時半起きなんだぞこの野郎。参加者たちは集合時間に遅れるなよ。交換本は忘れるなよ。風邪ひくなよ。寝る前にきちんと歯を磨けよ。宿題やれよ。

 なおこのトピックのコメント欄は忘年オフが終わった後、オフレポの掲示やリンク先の紹介、あるいはこの俺への感謝の気持ちなどを書き込むためにお使いください。

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November 14, 2006

名古屋忘年オフ詳細案内

日   時:12月2日(土)
集合場所:名古屋栄地下街クリスタル広場鎌倉書房前あたり
集合時間:18:00 集合時間を一分でも超えたらどんな事情があっても待ちません。えぇ、待ちませんとも。
オフ会場:茴香(ういきょう) http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000027097.html
Tel.052-219-7411  名古屋市中区錦2-5-28
一次会費用:4,500円で飲み放題(90分)
二 次 会:たぶんあり。場所・金額は未定。
イベント:例年通り、愛に恵まれない人のためにクリスマス古本交換会を実施致します。当日はオフ参加者の誰かにくれてやろう差し上げたいと思うご家庭でご不要になりました生ゴミ古本を各自、最低一冊ご持参ください。
現在までの参加予定者:みわっち(幹事)、太田忠司、大矢、くろけん、ゆーたん、1941、こいん+1(仮に明菜ちゃんと呼んでおこう)、かおかお、いつみねこ、rosio190、未読王(以上12名・敬称略)

 とりあえず500名までは参加を受け付けますので、名古屋忘年オフへの参加希望の方はこちらへのコメントという形で参加表明してください。参加表明の締め切りは11月29日(水)と致します。

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November 02, 2006

名古屋忘年オフ告知第一弾

 さて、年末恒例の名古屋忘年オフの季節が今年も巡って参りました。今のところ決まっている事は、実施日が12月2日(土)ということと今回の幹事はみわっちさんという二点だけです。それでも参加したいと言われる御方はコメント欄にて参加者登録してください。ちなみにその日の俺は日中ゴルフだぁ。どうなる俺? どうなる名古屋忘年オフ?

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September 04, 2006

【過去記】サイン会に赴く

▼7月某日、日曜日。お誘いがあったので、某書店で開催されたサイン会に赴く。
 サイン会の主は芥川賞作家の金原ひとみ。そう、「蛇にピアス」の人だ。はっきり言って俺にはまるで興味のないジャンルの作家なのだが、23歳で美人・・・という点に関していえば若干の興味が無いこともない。
 間近で見ると、なるほど確かに美人である。身体もモデル並みに細いしねぇ。もしも日本の女流作家で美人コンテストを行えば、確実に上位三人のうちに選ばれるよなぁ。あとの二人は○辺聖子と林真○子あたりか(嘘)。こんな可愛い女の子が小説の中では「○○○○」だとか「△△△△」といった卑語を平然と書き連ねるのだから、やはり文学というものは怖ろしいものである。
 サイン会という場に駆けつけた経験はごく少ないが、日曜の午後に開かれているこのサイン会に来ているのは、「若い女の子たち」と「おじさん」という二つの派閥に二極化されている。強引に分けるとすれば幸いにも俺は若い女の子組ということになるのだが。
 順番が巡りいよいよ俺の番となる。頭を垂れ貢ぎ物を頭上に掲げて若き女帝に傅く家来のようにしずしずと金原ひとみ嬢の前に進み出る俺。貢ぎ物として捧げ持つのは事前に購入しておいた「名古屋名物 一口ウイロ」である。
 サインに名入れを希望する人用に事前に用紙が配布されているので、ウイロと一緒にその紙を差し出す。そこに書かれた名前を一目見て、クスリと吹き出す金原ひとみ嬢。いいよなぁ俺は、名前だけでウケが取れて。
「あのぉ・・・、名前には『様』も付けますか? それとも『未読王』だけで?」と可愛い顔で問う金原嬢。
「是非ともお願いします。『未読王様』で」と俺。それを聞いてもう一度、クスリと笑われた金原ひとみ嬢なのであった。
 図に乗った俺は更にお願いをすることにした。
「あのぉ・・・、名前の横に『愛を込めて』と書いて戴くわけには参りませんでしょうか?」
 俺の前にいたおっさんが本にサインを受ける際に図々しくそうねだっていたのを聞き逃すような俺ではない。困ったような顔をしながら、ひとみちゃん(←おおっ、芥川賞受賞作家をついに「ひとみちゃん」呼ばわりだぁ!)はそのおっさんの頼みを快く聞き入れたこともこの俺は知っている。ましてや、プレゼントとして「名古屋名物 一口ウイロ」をわざわざ持参してきたこの俺である。これで断られるはずがないではないか。
「ええ、喜んで」とひとみちゃん。
 もののついでに、もう一つだけお願いしてみることにした。
「おのぉ・・・、もしもお手数でなければ、『愛を込めて』の横に『二人きりで過ごしたあの夜の甘い思い出とともに』と書いては戴けないでしょうか?」と俺。

それは出来ません」と、きっぱり拒否するひとみちゃんなのであった。やっぱりな。俺もこれはちょっと無理っぽいかもな・・・と思ってはいたんだけど。
 サインを終えて握手もしてもらう。何とも細い指だぁ。この指であんな卑猥な言葉を。そのままサイン会が終わるまで握っておいてやろうかと思ったが、俺の後ろでまだ順番待ちの客もいるので、渋々手を離す。

 無事にサインを貰って、旧知の女性編集者と立ち話で雑談する。実はこのサイン会、俺はこの御方に呼ばれたのであった。日本の文芸界を陰で牛耳っていると囁かれているこの御方の依頼を断ることが出来るほど、俺は豪放でも磊落でもないのである。ここだけの話だが名古屋名物 一口ウイロだって、ひとみちゃんに差し上げたものの倍の値段を奮発してこの女性編集者にお土産として手渡しているのである。
 折しも今は、芥川賞直木賞の選考段階。今度の受賞の行方は如何なものかと尋ねてみると明快に即答が返ってきた。受賞の理由を訊くと「私が気に入ったから」。そうでしょうとも。両賞の発表はもうじきだが、おそらくそうなるであろうと俺はその場で確信した。
 ひとみちゃんとともにそのまま新幹線で帰京するという女性編集者からは別れ際に握手を求められたが、気づかないフリをしてそのまま立ち去る。だってぇ、せっかくのひとみちゃんの手の匂いが、そんなことで消えると困っちゃうしぃ・・・。(注1)

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September 01, 2006

【過去記】名古屋オフレポ

▼さて、皆さんお待ちかねの名古屋オフレポである。わはははは。こりゃ、いったい何時の話や?

 すでに三ヶ月近く前のことなのでその記憶も朧気である。その中で憶えていることを二つ三つほど。たぶん記憶違いも多少はあると思うが。

◎俺の近くに陣取った黒田研二、宴会の始まる前から恨めしげな顔で凝っと俺の顔を視ている。果たして何かと思えば……。
 「ねぇねぇ未読さん。未読さんのブログを読んでいると、最近、僕の本をちっとも買ってくれていないような気がするんですが、これって単に気のせい?」
 ……くっそぉ、気づいてやがったか、という内心の動揺を押し隠して、にこやかに黒田研二に向かって答える。
「だってさぁ、最近のくろけんってミステリからだんだん離れていってるような気がするんだもんなぁ。俺、基本的にはミステリしか買わないからなぁ」
 とりあえずとりあえずそう口にしておいて、くろけんの今まで出してきた本が果たしてミステリと言えるのかどうかを心の中でじっくりと自問自答していると、黒田研二は濁った瞳をうるうるさせながら更にこう迫ってきた。
「そんなこと言わずに買ってくださいよぉ。僕の本を買ったってどうせ読まないんだから、ミステリかどうかなんてそんな細かいことにこだわらなくてもいいでしょうが」
 ……うっ、その指摘は確かになかなか的を得ている。
「僕の本の固定購買者は名古屋で15人なんですぜ。もしもそのうちの一人が欠けたりしたら、いつの日かベストセラー作家になるという僕の大きな夢が夢のままで終わってしまうような気がするんですよぅ~」
 二百万都市のこの名古屋で固定購買層がたった15人……という時点で、そもそもベストセラー作家への道が閉ざされているような気がするが、どうか?
 ついに黒田研二は瞳から大粒の涙を絞り出しながら駄々っ子のようにわめいた。
「ねぇ、買って! 買って! 買って! 未読さん、『カンニング少女』買ってくれよぉ~! 勤めてた工場も倒産しちゃったしよぉ~!」

 ・・・・・・泣き売か?

 そこまで頼まれても俺としては買う気はまるでないので、もしも黒田研二を少しでも哀れと思う人は上のリンク先をクリックして買ってやってくださいな。

◎名古屋オフ恒例の不要本交換会で俺が入手したのは、国立国会図書館編「人と蔵書と蔵書印--国立国会図書館所蔵本から」(雄松堂出版)なる本。題名通りの堅い本です。どのくらいの堅さかといえば、函入り本の角で誰かの頭を殴ると傷害罪で検挙されかねないほどの堅さ。俺がこの本を選んだのは、蔵書印に多少なりとも興味を持っているような輩はオフの参加者の中でも俺ただ一人くらいのものという理由に加えて、このまま古本屋に持ち込んでもそれなりの値段で引き取ってくれそうな気がしたからだ。何せ新刊定価が税込みで6,300円もする本なんですぜ、旦那。
 それ以外に黒田研二が持参してきて、結果、誰も引き取り手のなかった「刑事コロンボ」の同人誌「COLUMBO! COLUMBO!」 の創刊号と第二号を有り難く頂戴する。そんじょそこらの同人誌とは異なり、執筆陣も大倉崇裕、早見裕司、Kashiba@猟奇の鉄人に加えて末席を汚すかのように黒田研二等々・・・と実に豪華な顔ぶれ。なんでこの「COLUMBO! COLUMBO!」 に引き取り手が現れなかったのかが実に不思議なのだが、思い当たるのは黒田研二の放った「え? 誰も要らないの? 何ならボクが表紙に自筆のサインを入れてあげるよ」というダメ押しの一言があったというくらいのことか。

◎他にも色々とあったはずなのだが昨日の昼飯に何を喰ったかすら覚束ないってのに、数ヶ月前のことになると記憶ももうさっぱりなのであった。

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August 17, 2006

みたび若葉書店へ

▼まず最初に、私の元に「若葉書店への行き方をできればもう少し詳しく教えて欲しい」とのお問い合わせがありましたので、その点について少々説明しておきましょう。
 若葉書店は先に書いたように名古屋市熱田区にあります。もっとも至便に行くには、地下鉄名城線六番町駅で下車して、そこから水行十日、陸行一月した地に若葉書店はあります。これでだいたいのところは見当がお付きになりますでしょうか。

▼三度、若葉書店へと赴く。日を置かずに何度も通う理由は、初回二度目と訪れた際に買うべきか迷いながらも見送ってきた本を、幸いにも昨日パチンコで大勝したおかげでようやく買う踏ん切りがついたからである。
 若葉書店に向かう前に時価調整も兼ねて近くのGEOに。中古ビデオの大安売りセール実施中で、どれも一本100円から180円という安さ。その中からロック、ストック&ワン・ビッグ・ブロックを購入する。ガイ・リッチー製作総指揮の「ロック、ストック」シリーズの一本である。シリーズ中、どれを持っていないのやらさっぱり判らないのだが、値段が180円では買わずに済ますわけにはいかないもんな。
 古本では戸梶圭太の「牛乳アンタッチャブル」(双葉社、2002、100円)。

▼そうやって時間を潰しながら開店時間を待って、若葉書店に。しかし、開店時間を過ぎたというのに、店の扉はまだ固く閉じられたままだ。
 ……う~む、もしかしてもう潰れちゃったのかも。こりゃ、24時間営業のコンビニをオープンしたのはよいが店員のバイト募集に失敗して、一人きりで切り盛りしようとしてついに四日目で倒れて店を閉めてしまった俺の友達に次ぐ記録的速さだよなぁ。
 と思ったが、近くの店で昼飯を喰って頃合をみてもう一度覗きにいくと今度はようやく店が開いていた。「何で時間通りに店を開けないんだよぉ」とぽかぽかに文句を言うと、「名古屋に時間通りに店を開ける古本屋なんて一軒も無いわい」と開き直って不貞不貞しく強弁するぽかぽか。他の店の悪いところだけを真似してどうするか!

で、この日に買ったのは

 横溝正史「探偵小説五十年」(講談社、S52、2800円)
 飛鳥高「死にぞこない」(光風社、S35、5000円)
 ニコラス・ブレイク「呪われた穴」(早川ポケミス、S30、800円)
 村田ビデ雄「ザ・ホラー・ヒーローズ」(シンコー・ミュージック、1988、500円) の四冊。
 ポケミスの「呪われた穴」はダブリとなるのだが、俺の手持ちの「呪われた穴」は街を行く通りすがりの廃品回収のトラックの荷台から見つけ出しその場で百円で買い取ったという伝説の本だったのだが、残念ながら裏表紙欠の欠陥本なのでこれが買い直しとなる。
 これでようやくこの店では欲しい本はほぼ買い尽くしたので、しばらくは来なくても済むな。これで後は、店主の店売り用のダブリ本もそろそろ数が尽きてきて仕方なく手持ち本を棚に並べるしかなくなる日が少しでも早く来ますように、皆さん、せいぜい若葉書店で古本を買ってやって下さいな。その頃にはまた顔を出しますから。

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August 15, 2006

若葉書店開店・その後

Wakaba3▼奥ゆかしいというのかまるで商売っ気がないというか、はたまたやる気が全くないと言うべきか、ぽかぽかは自分の店が開店したことを世間に少しでも知られるのを怖れているかと思えるほどにひっそりと古本屋を始めた。普通ならせめて開店記念の粗品を配ったり常連客となりそうな客には新規開店記念全品無料サービスを挙行するとか紅白餅を屋根から撒くとかAV女優を呼んで店内で撮影会を実施するとかするもんだろうに。何せ自分のホームページで開店の告知すらしてないんだもんなぁ。故に「若葉書店」開店に至っても新規オープンらしい華々しさは一切見受けられない。開店前日に訪れた際には、あまりの殺風景な店内の雰囲気に「何なら開店祝いの花でも贈ってやろうか」とついつい口にしてしまった。「何ならついでに店のPRもしてやるぞ」
 週が明けた月曜日、開店祝いの花を携えて再度「若葉書店」に向かう。おっと、PRをしてやるぞと言った割には前回の日記では店の詳細をまるで書いていなかった。
 若葉書店は名古屋市熱田区六番町の交差点から南に向かったところ、俺の足で約20秒ほど掛かったので、ほぼ200mの地点にあります。営業時間は昼の12時から夜九時まで。今のところ火曜定休の予定ですが、客が来なければそのうちに定休日はどんどんと増えていくかも知れません。これ以上詳しい住所や店の電話番号は、俺のライヴァルを増やすことにもなりかねないので残念ながら教えられないね。
 店に到着すると、前回同様、またガラス戸が閉まっている。力ずくで何とか戸をこじ開けて店内に入る。
「うわっ、未読さん。どっ、どうやって店の中に!?」
「いや、錠の部分のガラスをこのガラス切りを使って……。いやいや、そんなことはどうでもいい。何で店を開けてないんだよ。もうオープンしたんだろにっ!」
「いっ、今、開けようと思ってたとこなんですよぉ」

Wakaba4▼「ほれっ」と買ってきた可愛らしい鉢植えの花を渡す。写真が小さくてよく見えないだろうが、花に添えられたカードには祝 「笑っていいとも」ご出演と書いてあるのだ。
「この花、きっと高かったんでしょうね」と値段ばかり気にするぽかぽかであった。そんなぽかぽかを安心させるように、「心配しなくてもいいぜ。その代わりと言っちゃあ何だが、毎月、みかじめ料としてショバ代を戴きに来るから」と言う俺なのであった。地回りのヤクザもんかぁい、この俺は!

 「ところで……本当に店はオープンしたんだろうな?」と尋ねる俺。思わずそう訊きたくなるくらい素っ気ない店内の様子なのである。その問いに対して「えぇ、日曜日から店を開けました」と答えるぽかぽか。よぉし、ホントに店を開けたとなれば、これからは俺の好き放題やりたい放題である。前回来た時にはまだ開店前ということもあり多少の遠慮もあったのだが、これからは何の気兼ねもいるものか。

 ということで、この日買ったは次の本。
 E・ガボリオ「ルコック探偵」(旺文社文庫、1979、500円)
 アルフレッド・ジャリ「馬的思考」(サンリオSF文庫、1979、1,000円)
 三橋一夫「ぼんくら社員と令嬢」(春陽文庫、S46カバ欠、100円)
 野田昌宏「宇宙船野郎」(秋田書店、S45、1,000円)
 W・ジョンストン「ベン・ケーシー 暗い秘密をもつ少女」(学研新書、S38、500円)
 加納一郎「SFディメンション・クイズ」(日本文芸社、S60、500円)
 友成純一「ホラー映画ベスト10殺人事件」(扶桑社、1989、300円)
 立川談志「ナムアミダブツ」(光文社カッパブックス、1998、300円)
 小松左京「日本を沈めた人 小松左京対談集」(地球書館、S49、800円)
 河野典生「憎悪のかけら」(七曜社、S37カバ欠、300円)
 市来英雄「海底に咲く花」(南日本新聞開発センター、S52、1,500円)
 中野実「火星から来た男(上・下)」(東京文藝社、S33、1,500円)

Wakaba1「ルコック探偵」と「馬的思考」はダブり確定。河野典生「憎悪のかけら」もダブり間違いなしだというのに、なんで買っちまうんだろ。しかもカバ欠なのに……。「SFディメンション・クイズ」「ホラー映画ベスト10殺人事件」の二冊もダブっていないことを祈るばかりである。
 わけの分からない本は最後の二冊だ。「海底に咲く花」の副題は「SF虫歯予防大作戦」。とほほほほ。歯医者さんの書いたSF仕立ての虫歯予防啓蒙本のようである。「火星に咲く花」ならばまだ聞いたことはあるんだけどねぇ。内容は「虫歯版・ミクロの決死圏」といったところ。時は21世紀後半。海底都市マリンフラワーでは世界連邦の大立て者であるミスターX氏(覆面レスラーかっ!)が突然の病に倒れ死の淵を彷徨っている。その病の原因は「虫歯」であった(おいおい)。ミスターXの虫歯を治療するために、極超小型ミクロロケット「スーパーオーラル一号」が出動することになった。しかし、悪の宿敵‘ミスターキラー’(覆面レスラー2号かっ!)がそうはさせじと様々な妨害を仕掛けてくる(例えば砂糖水を飲ますとか……、いや、マジで(笑))。スーパーオーラル一号は虫歯の原因であるプラーグ怪獣と戦い、無事、ミスターXを死の淵から救い出すのであった。最後はミスターXが歯磨きをする場面で大団円。めでたしめでたし。

 ……何じゃい、こりゃあ!

 おまけにこの本、小説部分は本の二分の一までで、残り半分は「砂糖と虫歯」という単なる虫歯予防のエッセーなのである。もしかして騙されたのか、俺は?

 もう一冊は、中野実の「火星から来た男」。ぽかぽかがしきりにこの本を薦める。「これ、SFに間違いありませんぜ、旦那。何せ題名が『火星から来た男』ですもん」
「だけど、中野実といえば小説のタイトルに『お嬢さん』だとか『坊ちゃん』だとか『令嬢』だとかの付いた明朗小説を書きまくってた人だろ。SFなんて書いてたかなぁ」
「間違いないですってば。何せ『火星から来た男』というくらいなんですから」とぽかぽか。
 仕方なく買って帰るが、家に帰って目次を眺めると、最初の章のタイトルがいきなり「へそくり問答」だ。SFか? 続く章題を見ていっても「内助の功」だとか「鎌倉夫人」というようなものばかり。これってSFか、ホントに??? よもや騙されたんじゃあるめぇなぁ?

Wakaba5▼そうこうするうちにぼつりぼつりと他の客も入ってくる。お世辞半分に「おお、店は結構流行っているようだなぁ」と言うと、ぽかぽかは客がいるにも関わらず「いやぁ、そうでもありませんよ。開店した日から毎日、2時間立ち読みに来る中年男だとか、ろくな客が来やしない」とこれ見よがしに大声で言う。つくづく客商売に向いていない奴である。客の一人が一本のエロビデオのジャケットを俺に向かって見せながら、「お客さん、このビデオに出ている××××子って知ってる?」と尋ねてくる。「いや、知りませんが」と正直に答えると、「そうかぁ、2時間ドラマの脇役あたりではそれなりに有名な女優なんだけどねぇ。顔に見覚えはない?」と残念そうに言う。「2時間ドラマとかはほとんど観ませんし」と答えると、「普通のAVみたいに単に裸が出てくるモノじゃなくて、最近はこの手のドラマ仕立てのモノにハマッててねぇ」
「はぁ、そうですか」と気のない返事をすると、「いやね、あんたも好きそうな顔してるから、てっきり同じ趣味なのかと……」。
 ……確かにろくな客は来ていないようだった。

▼帰り際に、先日買った本の中から「乱視読者の冒険」を返品する。家に帰ってじっくりと表紙を見たら、間違いなく持っていると確信できた本なのであった。確信したどころか、この本、別府の古本屋で買ったことまで思い出したわい。

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August 14, 2006

若葉書店開店

▼いやぁ、悪い悪い。すっかり放置しておりましたぁ。放置している間にも新刊を山ほど買ったり名古屋オフがあったり新刊を山ほど買ったり面白いことがあったり古本をちょびっと買ったり新刊を山ほど買ったりDVDを山ほど買ったりしていましたが、そのあたりはボチボチと遡って書いていくつもり。で、今日はとりあえず若葉書店開店速報を。

▼旧「絶好調」メンバーであり、なおかつ名古屋オフ常連のぽかぽかが--いったいどんな不祥事をしでかしてしまったのかは知らないが--いきなり堅い仕事を辞めて古本屋を開業すると聞いたのは数ヶ月前のこと。旧「絶好調」メンバーの中からは喜国雅彦さん、kashiba@猟奇の達人さん、よしだ まさしさんと古本に関する書き物をする方々も増えたのだが、勢い余って自ら古本屋になってしまったというのはさすがにこのぽかぽか氏が初めてだ。まさに「太鼓持ち 揚げての末の 太鼓持ち」という川柳を地で行く人生を過ごしているわけで、これはこれで実に目出度い(つーか、人ごとなんで面白い)。
 かつて古本まゆこの俺一人をターゲットにして、俺の家から車で五分という地の利の場所に開店して、仕方ないので俺も一ヶ月間で古本についつい数千円も散在してしまったというヒソミに倣ったのかどうか知らないが、今回、ぽかぽかが開業する店の所在が俺の勤務先のすぐ近く……というのも、あくまで俺一人を客としてのターゲットに絞った戦略なのだろうか。たぶんその戦略は失敗すると思うけどなぁ。
 とりあえず前の仕事は三月に辞めたことは知っていたのだが、その後、古本即売会で遭ったりした際に開店時期を尋ねても、ぽかぽかから戻ってくるのは「どうしようかなぁ、やっぱり止めようかなぁ」というようなノラリクラリとした返答ばかり。正直、こりゃダメかも……と思い始めていた頃、知り合いの古本屋からぽかぽか氏が名古屋の古本屋組合に加入したという噂を聞きつけた。どうやら入札に参加して本を買いまくっているらしい。しかし、その割には一向に店を開ける気配がない。何軒かの古本屋に聞き込みをしても開店情報はさっぱり入ってこない。
 こりゃあ、店を開けるまでにはまだまだ時間が掛かりそうだなぁ……と思っていた先の金曜日、店の前をたまたま車で通りかかったら、それまで無かった店の看板が大きく掲げてある。用事を済ませた後で念のために店の様子を確かめてみることにした。
 しっかりと閉じられている店のガラス扉を何とかこじ開けて、店内に侵入を果たす。中にはびっくりした顔のぽかぽかが……。「みっ、未読さん。どうやって店の中に?!」
「そこの自動扉の扉をこじ開けて。いや、そんなことはどうでもいい。店はいったいいつオープンするんだよぉ?」
「本の整理はまだまだなんだけど、めんどくさいんで明日にでも開店しようかと……」とぽかぽか。
 たまたま通りかかってみれば明日開店とは、こりゃまたお馴染みの古本の神様のお導きに違いない。「おい、だったらもうこの店の本を買ってもいいんだな」と脅すようにぽかぽかに向かって言う。「そ、そりゃ、いいけど……。でもあんまり買わないで下さいよ。店に本が無くなっちゃうから」と、古本屋のオヤジにあるまじき発言をするぽかぽかである。
 世の中で何が好きかと言って、俺は開店前の古本屋ほど好きな場所はない。アルプスの万年処女雪や人跡未踏の秘密の漁場といった趣もあるのが、開店前の古本屋なのだ。うまくすればいわゆる「入れ喰い」という奴である。しかし訊けば、店のオープン前にも関わらず俺より早く店に図々しく入り込み、本を買って帰った屍肉を喰らうハイエナのような輩がすでに何人かいたらしい。ルールを知らないその手の非常識な連中は、小父さん、大嫌いだぞ。
 専門店にはしたくない、あくまでも街の古本屋を目指すと言っていたぽかぽかなので、正直、店に並べられている古本に期待はしていなかったのだが、それでも店にある本のほぼ三分の一はミステリ・SF関係か。結構、変テコリンな本も多い。結局は、家に転がっていた手持ちのダブり本で棚を埋めるしかなかったというわけというわけである。それ故、売り値も前の店が付けたまま……という本も多い。つまり仕入れ単価=売値ということになるのだが、たぶんぽかぽかの頭の中には「利益率」だとか「粗利」だとか「損益分岐点」だとかいう単語は未だカケラも無いのであろう。
 とまれ、このところまるで古本を買っていなかったので、開店祝いの気持ちも込めて買いまくることに決めた。
 かくして、その日に買った本。

 ロバート・フィルベル「メル・ブルックス 新サイコ」(サンリオ、、1,000円)
 マーティン・ケイデン「月は誰のもの」(早川ノヴェルズ、S44、200円)
 ニール・サイモン「名探偵再登場」(三笠書房、1978、500円)
 フレデリック・ダール「絶体絶命」(三笠書房、1958、2,000円)
 渡部直己「HELLO GOOD-BYE 筒井康隆」(彌生書房、1984、700円)
 深町眞理子「翻訳者の仕事部屋」(飛鳥新社、1999、800円)
 若島正「乱視読者の冒険」(自由国民社、1993、900円)
 児玉数夫「名探偵銀幕登場」(時事通信社、S54、1,200円)
 P・G・ウッドハウス「ウッドハウス短編集」(富士書房、1966、2,000円)
 ジェイムズ・サーバー「ジェイムズ・サーバー傑作選Ⅱ」(創土社、1978、800円)
 飛鳥高「崖下の道」(東都書房、S36、3,000円)
 フレデリック・ダール「ピンチ」(三笠書房、1959、2,000円) 
 ミッシェル・ルブラン「殺人四重奏」(創元推理文庫、1961、400円)
 
 ご覧の通り、ちょっと変な本が多い。値段も比較的安いのではないか。この中でほぼ間違いのないダブり本は「月は誰のもの」「絶体絶命」「ジェイムズ・サーバー傑作選Ⅱ」「殺人四重奏」だな。ま、「殺人四重奏」は初版白帯なのでダブりでも仕方ないが。「名探偵再登場」「HELLO GOOD-BYE 筒井康隆」「乱視読者の冒険」「ウッドハウス短編集」の四冊はひたすら持っていないことを願うばかりだ。逆に嬉しいのは「新サイコ」と「ピンチ」の二冊。どちらも長く捜していた本である。飛鳥高「崖下の道」も相場よりはかなり安いはず。

 これだけ買っていざ支払う段になって万札を放り投げると、開店前なので生憎釣り銭がないとの返事。こういう場合、普通の商売人ならば「開店記念なんで、今日はこれだけオマケして……」と来るはずなのだが、そこは今まで客商売などしたことのないぽかぽかのこと、虚空を睨みながら「あと千円分、本を買ってくれさえすればお釣りがあるんだけど……」と口の中で繰り返す呟くばかりである。仕方ないので、川瀬広保という人の書いた「SFエッセイ」(近代文藝社、1995)を買うことにした。川瀬広保とは聞いたこともない人だが、どうやら東海地方のSFファンダムの人らしい。
 支払いを終えると「しかしまぁ、たくさん買ったもんだなぁ」と、他人事のように言うぽかぽか。そうだろそうだろ、この店でこれほど一度に古本を買う人物はたぶん空前にして絶後だろうよ。

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July 16, 2006

病院の怪談(後編)(「黒呆け蜘蛛の会」より)

▼「病院の怪談」前編を書き上げてアップした段階ではすぐに後編に移るつもりだったのだが、書いている間にどんどんと構想が膨らみこのままでは原稿用紙にして軽く3千枚を超えてしまい未曾有の大長編となりかねないことが判明した。そのままではブログに載せるわけにもいかず、文量を大幅に刈り込むのに時間を要してしまったことを関係各位に深く陳謝します。ということで、お待たせしました、「後編」です。

病院の怪談(後編)【前編より続く】
 「それは病院で起こる典型的な心霊現象の一つね。古い病院には浮遊霊も多いことだし」と、黒呆け蜘蛛の会のメンバーで最初に口を開いたのは女流ホラー作家の鮨慧子だ。「たぶん、その霊はかなりの恨みを抱いて死んでいったに違いないわ。ベッド脇に立たれたというその患者さんの「その後」には充分注意しといた方がいいわよ」
「たぶん、そうだろうな」とホラー作家の意見に同調したのは三冊200円オヤジの異名を持つ古本評論家のよしだ むさしである。この男は最近、本の雑言社という出版社から「常田富士男と浦島太郎」という本を上梓したばかりで実に意気軒昂である。「この私も年甲斐もないテニスで腰を痛めたり、古本に付いていた病原菌が元で睾丸がバレーボール大に膨れあがったりと、病院との縁はなかなか切れないんだが、病院では何度も怖い目に遭ってるよ。看護婦さんにさりげなく『夜中に痩せた男の人がベッドの脇に立ってたんだけど』って聞いてみれば、いやあな顔をして『また出たんですかあ』っていう表情をすると思う。もっとも私が入院中に一番怖い目に遭ったのは、持参した本を全て読み終えてしまって手元に読む本が無くなってしまったと気づいた時なんだけどね」と言ってニヤリと笑った。
「私は怖い話は苦手だから・・・」と言ったのは、漫画家の野薔薇美由紀である。「現実的すぎるかもしれないけど、それは単なる物盗りなんじゃないの? ほら、病人って結構手近に小銭を置いているものだし。きっと不慣れな泥棒で枕元に置いてある財布に手を伸ばすのを逡巡してたんだと思うわぁ」
「うう~ん、怪奇現象派が二人に物盗り説が一人ですか」と相談者の私は言った。「これだけの話では、決め手に欠けてますもんねぇ」
 その時、「なるほど、それは恐ろしい話ですね」との声がしたのは、みんながテーブルを囲んで円座に座っている後方からである。
「おぉ、そうだ。ここは辺里の意見も聴いてみないとな」とよしだ むさしが言った。
「辺里さんとは……?」と私が振り返ると、そこに立っていたのは給仕然とした一人の男である。
「辺里はね、この店の給仕なんだが、ものすごく推理力があるんだ。過去にもこの会に持ち込まれた謎を何度か解いているんだよ、私の次くらいにはね」と言うのはよしだ むさしである。
「皆様のお話の途中で思わず口を挟んでしまい、大変失礼をいたしました」と給仕の辺里は申し訳なさそうに言った。
「いやいや、ここはぜひ辺里の意見も聴いてみたいもんだな」とよしだ むさしが言うと、鮨慧子と野薔薇美由紀の二人も「そうよそうよ、きっと何か気が付いたんでしょ?」と辺里の意見を促した。「少なくとも、辺里さんの方がよしださんよりはよっぽど頼りになるんだし」
「皆様がそこまで仰るのならば・・・。それでは私の考えを言う前にちょっと質問させて戴いても構わないでしょうか?」
「どうぞ、なんなりと」と応じてはみたものの、何故、私が給仕の質問に答えなければならないのか、さっぱり合点がいかない。
「お父様はもうそろそろ退院されるご予定なんですね?」と給仕の辺里が尋ねた。
「そうです。今度の土曜には退院の予定です」と私。「ヨチヨチ歩きですが、最近になってようやく少しは歩けるようになりましてね」
「お父様は相当なご高齢になりますよね?」
「そうですね。八十歳にもうすぐ手が届くというところです。半年も入院していると、さすがに身体も弱りましたが」
「誠に失礼なことをお尋ねしますが」と辺里。「身体はともかくとして、お父様の頭の方は如何なんですか? いわゆる『老人特有の症状』というものは?」
「ははぁ、もしかして『呆け』のことですか? そりゃまぁ歳も歳ですし、このところ単調な入院生活が続きましたから、今日が何曜日なのかはちょっと分からなくなっているようですが・・・。そういえば先日、お医者さんから『今、何歳になりました?』と訊かれて答えられなかったこともありましたが、総じてその程度のことですかね」
「なるほど・・・」と辺里は答えて、一瞬考えにふけった。「分かりました。毎晩、ベッドの脇に立つ痩せた男とは、おそらく・・・」
「おそらく?」
「おそらく、それはあなたのお父様ですね」
「な、な、な、なんてことを言うの!」と思わず声を大きくしたのは、漫画家の野薔薇美由紀である。「あなたはこの方のお父様が泥棒だって言うの?」
「違うわよね、辺里さん」と落ち着いた口調で口を挟んだのは女流ホラー作家である。「きっと、お父様が幽体離脱して生き霊になった姿をみんなに見られたと言いたいんでしょ?」
 申し訳なさそうに辺里は言った。「いえ、申し訳ありませんが、私の考えはお二人のご意見とはちょっと異なります。この方のお父様は、ただその場に立っていただけです」
「でも、なんで夜中に他人のベッドの脇にただ立っていなければならないんだ、何の目的もなく?」と訊くのはよしだ むさしだ。
「何かの目的があってかどうかは、私にも分かりかねます。その答はおそらく、お父様ご本人ににお尋ねしても分からないことだと思います」
「それは、いったいどういう意味・・・?」
「失礼ながら、お父様ご本人にその意味をお尋ねしても、ちゃんとした答は戻ってこないことだと思いますね」
「しかしねぇ、辺里」とよしだ むさしが言う。「もしもその痩せた男がこの人の親父さんだと言うんなら、同室の患者たちはみんな、顔見知りのはずじゃないか。なんでそのことをはっきりと本人や家族に言わないんだ?」
 辺里は困ったような顔をした。「それは・・・。皆さん、お優しいからだと思いますよ。確か、お話の途中でもそうようなことを仰っておられたはずですが」
「優しい・・・?」と、私は怪訝な顔で聞き返した。
「ご家族に事実をそのままお伝えするには耐えられないほど、皆さん、お優しいんだと思います」
「で、その『事実』とは・・・?」と、私は辺里に思わず尋ねた。
 辺里は一瞬躊躇った上で、私をじっと正面から見据えたまま静かな声で答えた。「それは・・・、あなたのお父様が呆けてしまわれたという事実です」
 みんなは一瞬押し黙ったが、辺里はかまわずに言葉を続けた。「たぶんお父様は夜中に何度も徘徊行動を取られているんだと思います。もっともまだそんなには動き回れないはずですので、あくまでも病室の中だけでしょうけど。それでも当然、相部屋の皆さんはその行動を常にご覧になっているはずです。同室の皆さんはおそらく、あなた様が痴呆となられたお父様の世話をこれからずっと夜も昼もしていかなければならないという過酷な現実を遠回しな表現であなたに告げたんだと思いますよ。一度、病院の先生にそのことをご確認された方がいいと思いますよ」
「でも、それならなんでそうとはっきりと言わないんだ?」とよしだ むさし。「そんな遠回しな言い方ではなく」
「自宅で痴呆老人の介護をするということは家族にとっては実に大変なことです」と辺里は言った。「夜も昼もなく目が離せませんし、食事から風呂、あるいは下の世話まで24時間、誰かが付きっきりになる必要もあるでしょう。介護ヘルパーを頼むとしても、身内の方は相当な犠牲を払う覚悟がないと到底できることではありません」
 辺里はそう言うと、じっと私を見た。「あなたは独身なんじゃありませんか?」
「そうですが・・・」と私。「どうして分かりました?」
「病院での相部屋というものは退屈な分、他の見舞客の会話は嫌でも耳に入りますし、それで隣に寝ている病人の家庭環境まで嫌でも分かってしまうものです。同室の皆さんはおそらく、会話の中身からあなたがお父様と二人暮らしだと知って、退院後のあなたの苦労を察知したんだと思いますね」
 野薔薇美由紀が尋ねた。「つまりそれは、相部屋の患者さんたちが全員で示し合わせていたというわけ?」
 辺里は答えた。「おそらく、そうだと思いますよ」
 よしだ むさしが言った。「でも、それなら病院の医者や看護婦も同様に父上の呆けに気づいてたんじゃないのか? だったら、患者の家族にその旨を言うんじゃないのか?」
「病院というところは、こちらから尋ねない限り、そういうことは意外に言わないものですよ。特に骨折したお父様が入院していたのは外科病棟だと思います。外科では骨折が治りさえすれば完治したということですから、他の件をわざわざ家族に伝えることは少ないと思います」
 私はうつむいて辺里の言葉を聞いていたが、しばらく経って顔を上げた。「そう言われると、確かに私にも思い当たる節はいくつかあります。このところ父はほとんど喋らなくなりましたが、先に言った通り、元々人付き合いも良くない性格ですし寡黙な質でしたので特に不思議とも思わなかったんですが・・・。まぁ、身内としては自分の父親が呆けてしまったなどとはなかなか信じたくない話でもありますしね。明日にでも早速、お医者さんに状況を確認して参ります。どうも有り難うございました」
 古本評論家のよしだ むさしが言った。「辺里、どうして分かったんだ?」
 辺里は恥ずかしげに答えた。「いえ、実は私も身内に一人、痴呆老人を抱えておりましてね。今日も出がけに妻とその話をしてきたところですので、それが心に残っていたのかもしれません。ですからご聡明な皆様よりも気づくのがちょっと早かっただけのことですよ。・・・あっ、いけない!」
「どうした、辺里?」
「いえ、話についつい夢中になって、デザートにお出しする予定のマンゴ・シャーベットをキッチンに出しっばなしにしておりました。せっかくのデザートが少し溶けてしまったかもしれません。今すぐに持ってあがります」
 辺里はそう言うと深々と頭を下げて、静かにその場を立ち去った。

▼新刊。
 まず何と言っても嬉しいのはこの本。スティーヴン・キング「コロラド・キッド」(新潮文庫、非売品)。新潮文庫版「ダークタワー」シリーズの刊行記念イベントとして、新潮社が企画した一万人限定のプレミア・ブックという非売品である。キング自身が何故かこの本の日本での出版に制限を付けているために、現時点ではとりあえず抽選で当たるかヤフオクで馬鹿高い値段で入手する以外に、この「コロラド・キッド」を読む術がないのである。わはははは。あんまり嬉しいんでカバジャケ写真も載っけといてやろう。A0007287_2339644 うわはは、真っ黒だ(笑)。いや、実物はそんな真っ黒けってことはないんだけどね。内容はキングにしては珍しくホラー風味のほとんど無いミステリータッチ。言ってみれば「キング、松本清張に挑戦!」的なアリバイ崩しなんである。いやもう、相変わらずのキングの語り口だけでご飯三杯はいけますわ。

 この本以外にも色々と書きたいことは多けれど、残念ながら時間がない。買った新刊の書名だけ列記する。

 今村荘三「漫才通」(浪速社)
 と学会「と学会年鑑 GREEN」(楽工社)
 ほんの森編「恐怖ミステリーBEST15」(シーエイチシー)
 サミュエル・R.ディレイニー他 若島正編「ベータ2のバラッド」(国書刊行会)
 ウィル・セルフ「元気なぼくらの元気なおもちゃ」(河出書房新社)
 大崎梢「配達あかずきん」(東京創元社)
 小路幸也「東京バンドワゴン」(集英社)
 宝島編集部編「バウじゅうはち! VOW18」(宝島社)
 早坂隆「世界の日本人ジョーク集」(中公新書ラクレ)
 高田文夫「笑芸日記 一九九六-二〇〇五」(ちくま文庫)
 一ノ宮美成ほか「実録!平成日本タブー大全 1」(宝島社文庫)
 ジュリー・ケナー「ママは悪魔ハンター」(早川書房)
 喜国雅彦「日本一の男の魂 17」(小学館ヤングサンデーコミックス)
 いしいひさいち「ロスタイム17分」(双葉文庫)
 志賀浩二「古本屋残酷物語」(平安工房)
 キース・オートリー「ホームズ対フロイト」(光文社文庫)
 ジョン・ボーランド「紳士同盟」(早川ポケミス)
 安永一典「アガサ・クリスティのインテリアと鼠の齧ったT定規」(近代文芸社)
 カーステン・ストラウド「コブラヴィル (上・下)」(文春文庫)
 国立国会図書館編「人と蔵書と蔵書印」(雄松堂出版)
 ヘレン・マクロイ「死の舞踏」(論創海外ミステリ)
 ピーター・ディキンスン「封印の島」(論創海外ミステリ)
 ジョン・ソール「ブラックストーン・クロニクル (上・下)」(求竜堂)
 チャールズ・ストロス「シンギュラリティ・スカイ」(早川SF文庫)
 クリストファー・ファウラー「白昼の闇」(東京創元社)
 ダグラス・アダムス「さようなら、いままで魚をありがとう」(河出文庫)
 平井隆太郎「うつし世の乱歩」(河出書房新社)
 五條瑛「瓦礫の矜持」( 中央公論新社)
 ジェフ・ロヴィン「狼男の逆襲」(扶桑社文庫)
 鮎川哲也「山荘の死(『鮎川哲也コレクション<挑戦篇>I)」(出版芸術社)
 ジム・トンプスン「失われた男」(扶桑社文庫)
 ジョン・ランチェスター「最後の晩餐の作り方」(新潮文庫)
 クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス「オケアノスの野望を砕け (上・下)」(新潮文庫)
 戸梶圭太「もっとも虚しい仕事」(光文社カッパノベルス)
 大倉崇裕「福家警部補の挨拶」(創元クライム・クラブ)
 浅倉久志「ぼくがカンガルーに出会ったころ」(国書刊行会)
 山田風太郎「山田風太郎育児日記」(朝日新聞社)
 小松左京+谷甲州「日本沈没 第二部」(小学館)
 アレックス・バーザ「ウソの歴史博物館」(文春文庫)
 ロブ・ライアン「暁への疾走」(文春文庫)
 平岡正明「志ん生的、文楽的」(講談社)
 『このミステリーがすごい!』編集部編「この文庫がすごい! 2006年版」(宝島社)
 ジョージ・P.ペレケーノス「魂よ眠れ」(早川HM文庫)
 永江朗「ブックショップはワンダーランド」(六耀社)
 いしいひさいち「コミカル・ミステリー・ツアー 4 長~いお別れ」(創元推理文庫)
 
 この中でお奨めを四冊選ぶとすれば、今村荘三「漫才通」、鮎川哲也「山荘の死」、戸梶圭太「もっとも虚しい仕事」、浅倉久志「ぼくがカンガルーに出会ったころ」だな。五冊選ばない理由は、まだそんなには読んでいないからである。

▼この間、買った古本やDVD、観た映画(ビデオ、DVD含む)、聴いたCDも山ほどあるし、名古屋オフやら某作家のサイン会に行った話などもあるのだが、とても書いている時間がない。このあたりは次回に回す。

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